海上保安レポート 2006

●はじめに


■TOPICS 海上保安の一年


■特集1 国際展開する海上保安庁

■特集2 刷新図る海保の勢力


海上保安庁の業務・体制


■本編

治安の確保

生命を救う

青い海を護る

災害に備える

海を識る

航海を支える


海保のサポーター


海上保安官を目指す!


語句説明・索引


図表索引


資料編


海保のサポーター > 3 財団法人海上保安協会
3 財団法人海上保安協会(http://www.jcga.or.jp/top.html

 昭和16年、当時の皇太后陛下が剱埼灯台(神奈川県)に行啓の際、離島やへき地に駐在している航路標識職員及びその家族の福利増進の趣旨で御下賜金(ごかしきん)を賜ったのを機会に、奨学金制度や寄宿舎の運営事業を行うための財団法人燈台済育会が設立されました。
 昭和23年に海上保安庁が設立され、航路標識事業が海上保安庁の業務として位置づけられると、事業の対象を海上保安庁職員全体へ拡大するため、燈台済育会を発展的に解消し、昭和24年8月「海上保安業務の改善、発展に寄与し、あわせて海上保安業務に関係する者の福祉を増進すること」を目的として財団法人海上保安協会が設立されました。
 現在では、職員に対する福利厚生事業の他にも、「海上保安思想の普及」、「海上保安に関する国際協力の推進」、ボランティア事業として「海上保安に関する防犯活動」及び「海洋環境保全に関する推進活動」などを行っています。

海守(うみもり)

 平成13年12月に発生した「九州南西海域における工作船事件」により、武装した工作船が我が国周辺海域を徘徊し、薬物の密輸などの重大な犯罪を引き起こしていたという実態が明らかになりました。また、悪質な廃棄物の不法投棄等による深刻な海洋汚染も後を絶ちません。
海守のポスター
▲海守のポスター
 こうした事態に的確に対処し、安心して海に親しめる環境を作るためには、迅速な情報収集体制の構築が必要不可欠です。そこで、海上保安庁の限られた勢力を全国のボランティアの力を借りて補い、我が国の沿岸域全体の監視を行うために結成された組織が「海守」です。
 海守は海洋・船舶に関する各種公益事業への幅広い支援を行っている日本財団の全面的な助成のもと、平成15年2月に(財)海上保安協会によって設立され、我が国の沿岸監視・海洋環境保全活動等を行う全国的なボランティア組織として発展を続けています(平成17年5月10日現在、全国56,142人のボランティアが登録)。
 海守の活動の中心は、「海を見守る情報ネットワーク」として、海洋汚染や不審な事柄など、普段の日常生活の中で海の異変や異常を発見した場合に、海上保安庁の緊急通報用電話番号「118番」へ連絡を行うことです。また普段は、海守以外の民間団体等と協力し流出油災害に関するボランティア講習会や、海浜清掃活動など海に関する様々なイベントや研修会などを全国各地で開催しています。

海守へのお問い合わせ先
〒105-0001
東京都港区虎ノ門1-15-16海洋船舶ビル8F
TEL. 03-3500-5707
FAX. 03-3500-5708

海守の人々
▲海守の人々

◆海上防犯指導員・海上防犯連絡員

 陸上と違い普段の生活ではあまり意識できない海上における防犯意識を高めるため、全国の主要港などに約30名の海上防犯指導員、約800名の海上防犯連絡員からなるボランティアのネットワークを構築し、沿岸域の不審者等のパトロールや、海上犯罪発生時の通報体制の確立、海上防犯に関する啓発活動等を展開しています。

◆海洋環境保全推進員

 海洋環境保全の分野では全国各地に約480名のボランティアからなる海洋環境保全推進員を組織し、海洋汚染の通報体制の確立や、海浜の清掃などの啓発活動を行っています。
海洋環境保全推進員による啓発活動
▲海洋環境保全推進員による啓発活動

海上保安友の会(http://www1.biz.biglobe.ne.jp/~jmsafc/

海上保安友の会の活動
▲海上保安友の会の活動
 海上保安友の会は、「安全で明るく美しい海をいつまでもをモットーに、日夜活躍を続ける海上保安庁の仕事について理解を深めるとともに、海を愛する仲間が集い、会員相互の親睦や海上保安官との交流を通じ、もっと海を好きになる」ことを目的として、昭和63年4月に設立された任意団体です。(財)海上保安協会が団体運営の支援を行っており、平成18年5月現在、会員は約8,000名、全国各地に37支部を構えています。
 会員になると、海上保安に関する情報誌が配布されたり、海上保安庁の実施する各種イベント(体験航海、新造船の進水式など)へ参加することができます。

海上保安友の会へのお問い合わせ先
〒104-0043
東京都中央区湊3-5-10セントラル新富町ビル6F
(財)海上保安協会内
TEL. 03-3297-7580