平成17年は、その震災から10年という区切りの年を迎え、神戸市内では「震災10年神戸からの発信」として数々のイベントが実施されました。第五管区海上保安本部(兵庫県)でも何か協力できることはないかと若手職員を中心に考えた結果、震災被害のために結婚式ができなかったご夫婦を巡視船に招待して船上結婚式を行おうということになりました。
7月17日(日)の「JCG大阪湾海上総合訓練」の際に、一般見学者が乗船する巡視船「せっつ」の船上で結婚式を実施することとして、(社)神戸港振興協会の協力を得て募集したところ、震災で式場が全壊し、その後も日々の生活に追われて挙式の機会を失ったまま現在に至っているという神戸市内在住のご夫婦から応募がありました。
▲結婚証明書が読み上げられる様子 |
本番当日、海上保安学校音楽隊がこの日のために編曲したメンデルスゾーンの結婚行進曲を演奏するなか、新郎新婦が入場し、巡視船「せっつ」船長からご夫婦にお祝いの言葉を添えて結婚証明書が手渡されました。式終了後はSMAPの「世界にひとつだけの花」が演奏されるなか、乗船客の温かい祝福を受けることとなりました。
ご夫婦は、「いい記念になりました。新しい一歩を踏み出せました。」と、10年間の秘めた願いがかなえられ、とても喜んでいました。
巡視船「せっつ」乗組員一同は、日本の海を守りながら、おふたりの末永い幸せをお祈りします。