海上保安大学校(本科)

トップよくある質問

海上保安大学校(本科)

全般

海上保安大学校を卒業できないことや留年することはありますか

所定のカリキュラムを修了できず、訓練や授業の履修が認定されない場合には、留年や退学となることがあります。

海上保安学校との違いについて教えてください

【海上保安大学校(本科及び初任科)】
海上保安庁の幹部職員を養成することを目的とし、海上保安業務に必要な高度な学術や技能を教授します。本科卒業と同時に学士(海上保安)の学位が取得できます。

【海上保安学校】
海上保安庁の現場業務に即応できる海上保安官の育成を目的とし、海上保安業務に必要な学術や技能を教授します。教育期間は課程により1年と2年に分かれています。

初任科との違いを教えてください

海上保安大学校(本科)と海上保安大学校(初任科)は、いずれも海上保安庁の幹部職員を養成するための課程です。海上保安大学校(本科)の場合、高卒者を対象とした課程であり、海上保安大学校(初任科)の場合は、大卒者を対象とした課程です。

体力に自信がなくても平気ですか

例年、体力に自信がない学生も入学してきますが、教官の指導及び学生の努力により卒業までには海上保安官として必要な体力がつきます。

普通の大学とは違うのですか

海上保安大学校は、文部科学省所管外の大学校です。
海上保安大学校は一般大学と多くの共通点を持ちながらも、将来の海上保安庁の幹部となる職員として必要な高度な知識と技能を教授します。

遠洋航海について教えてください

専攻科で行う遠洋航海は、練習船に乗船し、太平洋、大西洋及びインド洋等を約3か月半かけて世界を1周します。
実習を通じて、船舶運航に関する知識・技能を向上させ、寄港地の関係機関や市民の方々との交流を通じて国際感覚の涵養を図ります。
なお、寄港地については、年によって変わりますが、令和5年度はサンフランシスコ、ボルティモア、ピレウス、シンガポールに寄港しています。

女子学生の在籍数はどれくらいいるのですか

海上保安大学校(本科)では約50名の女子学生が在学しています。同期の女子学生は10~20名近くいるので、悩みなどがあれば気軽に相談できる環境となっています。

部活やサークルなどはあるのですか

学生は必ず体育系の部活に所属することとしています。
活動時間は、原則として平日の7・8時限目が当てられており、現在活動している部活は、カッター部、柔道部、剣道部、サッカー部、水泳部、テニス部、バスケットボール部、野球部、ヨット部、ラグビー部、逮捕述部があります。
これらの部活のほか、行政法ゼミ、学生音楽隊、応援団、救難同好会、ライフセービングクラブ、茶道同好会など、学生有志の活動もあり、積極的に参加することで他大学と活発な交流をすることもできます。

オープンキャンパスは行っていますか

年2回程度、オープンキャンパスを開催しています。
1回目は、6月上旬に開催される学生祭「海神祭(わたつみさい)」に併せて2日間
2回目は、夏休み期間中の1日間

夏休みや冬休みはありますか

夏期休暇 (夏休み)として約4週間、冬期休暇(冬休み)約2週間、春期休暇 (春休み)約1~2週間があり、その期間は原則として寮を閉鎖するので、実家等で自由に生活することになります。

入学後にかかる費用はありますか

入学の際に身の回りの生活必需品などを揃えるため、支度費として約10万円が必要になります。入学後は教科書代等として年間で約10万円のほか食費や身の回りのことで毎月数万円かかりますが、毎月の給与で十分に生活できる範囲内の額です。

授業

どのような授業がありますか

幅広い教養を身につけるため、一般大学のように哲学、文学、語学などの基礎教育科目のほか、国際政治、海洋学、航海学、機械力学、情報理論などの専門基礎科目、複雑化、国際化している海上保安業務に対応するため、国際海洋法、海上警察政策、海上安全学、海難救助工学などの専門科目、海上保安官として必要な技能を身につけるため逮捕術などの訓練科目、小型船舶の操船技術や通信実技などの実習科目、練習船による乗船実習など、様々な授業や訓練があります。現場で活躍するための必要な知識や技能を身に付けることができます。

授業科目は選択できますか

選択可能な授業科目としては、1・2学年時に受講する第2外国語(ロシア語、中国語、韓国語)があります。また、2学年からは第一群(航海)、第二群(機関)、第三群(情報通信)に分かれ、それぞれの専攻に応じて必要な科目を受講することになります。

授業は海に関するものばかりなのですか

海に関する授業のみならず、法執行機関として法令に基づいた業務を行っているため、行政法、国際法、海上警察政策などの法律系専門科目もカリキュラムに組み込まれています。また、国際化している海上保安業務に対応するため、国際海洋法や国際紛争論などの授業にも力を入れています。

日課・寮生活

全寮制を採用しているということですが、その必要性を教えてください

海上保安庁は業務の実施が基本的に船を単位として行われることから、初級幹部海上保安官を養成する海上保安大学校においても、集団生活や上級生指導等を通じ、協調性やリーダーシップの涵養等を目的に全寮制が採用されています。
なお、学生は、起床から就寝に至るまでメリハリのある規則正しい生活を送ります。また、原則として各学年1名の計4名で自習室を構成し、複数の自習室で班を構成して、これらの自習室や班を単位として様々な行事等を実施します。

自動車の保有はできますか

3学年以上から保有することができます。ただし、保有には許可が必要です。

外出や外泊は可能ですか

平日であって翌日も平日の場合は17:15~22:15の間、同じく平日であって翌日が土日又は休日の場合は17:15~22:45の間、土日又は休日であって翌日が平日の場合は06:30~22:15の間、土日又は休日であって翌日も土日又は休日である場合は06:30~22:45の間、それぞれ外出が可能です。
土日又は休日の前日においては、届け出ることによって外泊することも可能です。

下宿等を借りることは可能ですか。また、下宿から通うことはできないのですか

2学年から下宿を借りることができますが、海上保安大学校は全寮制を採用していますので、下宿からの通学は認められません。

スマホや携帯電話は使用できますか

使用することができます。ただし、授業中のスマホの携帯及び使用は、授業担当教官が許可した場合を除き、禁止されています。

飲酒及び喫煙は可能ですか

20歳以上であれば可能です。ただし、校内(学生寮を含む。)での飲酒は原則として禁止されています。喫煙は認められた場所でのみ可能です。

自習室や寝室はどのような構成になっているのですか

自習室は原則4人部屋で1人1つデスクがあります。
寝室は4人から12人の大部屋で、シングルベッドで就寝します。
各学年が混ざって部屋を構成しており、様々な人間関係を構築できます。
勉強などを行う自習室は男女同じ施設で生活していますが、寝室は男女で別の建物となっています。

休日はどのような過ごし方をしているのですか

休日は、運動、趣味、旅行など校内外で自由に過ごしています。呉市内や広島市内など近郊まで出歩いて過ごす学生が多くいます。
外出に関しては許可時間が定められていますが、平日・休日共に毎日外出できます。
申請をして休日の前日に外泊することもできます。

訓練

在学中、どのような訓練が行われるのですか

4年間を通して、総合指揮(基本動作、統率管理)訓練、防火訓練、潜水訓練、端艇(カッター)訓練、水泳訓練、拳銃訓練等を実施しています。
夏期休暇(夏休み)前には海での遠泳訓練が行われ、3マイル(約5.6km)又は5マイル(約9.3km)を泳ぐことになります。また、1月には、耐寒訓練(逮捕術、端艇等)が行われます。

全く泳げませんが、遠泳は大丈夫ですか

例年7月上旬に遠泳訓練があり、本科1学年にあっては、3海里(約5.6km)を泳ぎ切るための泳力が必要になります。遠泳訓練までに水泳の授業や事前訓練が繰り返し行われるため、水泳が苦手な学生も段階的に泳げるようになれますが、全く泳げないような場合には、入学前までに、クロール100m以上、平泳ぎ300m以上を目安に泳げるようにしておけば、余裕をもって訓練に臨むことができます。

乗船実習について教えてください

現在、1学年、3学年、4学年及び卒業後の専攻科で乗船実習を行っています。
1学年、3学年、4学年で行う乗船実習は、各授業で学んだ知識・技能を国内航海実習において実地体験し、船舶の運航技術等の基本を身につけます。また、卒業後の専攻科では、4年間に履修した知識、技能の集大成として、約3ヶ月半におよぶ遠洋航海実習を行い、運航技術等を磨くとともに、さまざまな訓練を通じて巡視船艇幹部職員としての実践力や統率力を養います。加えて、外国訪問を通じて国際的な感覚と幅広い視野を身につけます。

卒業後

海上保安大学校を卒業するとどのような仕事をするのですか

海上保安大学校を卒業すると、海上保安官(三等海上保安正)に任官されます。その後の進路については、希望や適性により個人差がありますが、一般的には、卒業後全国各地の巡視船に主任航海士等として配属され、2~3年海上勤務を行います。
その後、本庁の係員、30歳前後で大型巡視艇の船長等に就き、2~3年毎に、本庁係長、中型巡視船航海長等を経験し、40歳前後で、管区本部の課長、本庁の課長補佐などへとキャリアアップしていきます。
また、一定期間ですが、本省(国土交通省)、内閣官房、外務省など他省庁のほか独立行政法人などに出向する者も多くいますし、海外で勤務する機会もあります。

パイロットや航空整備士になることも可能ですか

本人の希望と適性により、パイロットや航空整備士になることも可能です。
パイロットになるには、大学校卒業後に希望と身体検査などの適性検査を受け、その後、約1年間現場の巡視船に主任航海士、主任機関士や主任通信士として乗船した後、防衛省に委託の上、約2年間の研修を受け航空基地等に配属されます。
航空整備士になるには、大学校卒業後に希望を募り、その後、約1年間現場の主任航海士、主任機関士や主任通信士として乗船した後、防衛省に委託の上、約8ケ月間の研修を受け航空基地等に配属されます。
なお、パイロットや航空整備士になる学生も、卒業まではⅠ群(航海)、Ⅱ群(機関)、Ⅲ群(情報通信)のいずれかの専門基礎科目を選択し勉強する必要があります。
パイロットとして選抜されるのは毎年2名、航空整備士として選抜されるのは毎年1名の狭き門となっています。
※ パイロットや航空整備士は搭乗する機体や整備する機体に応じたそれぞれの免許を取得する必要があります。