卒業生の声

1991年 航海コース卒業

出身地
兵庫県
役職
船長

簡単な経歴を教えてください。

一般大学を卒業後、民間企業を経て、海上保安学校に入学しました。当庁入庁後は、本庁海洋情報部の測量船や巡視艇に乗船勤務の後、海上保安大学校特修科で研修を受けました。特修科修了後は、主に巡視船勤務が多く、陸上勤務は本庁海洋情報部と第二管区海上保安本部交通部において勤務経験があります。最近では、一管区のPL型巡視船航海長や三管区の潜水指定船(PM型巡視船)の船長をさせて頂きました。

海上保安庁に入庁しようと思ったきっかけを教えてください。

本来船乗り志望であったのですが、諸事情でその道に進めず、大学で海の勉強をした後、海に関係する仕事に就きました。
たまたま興味のあったボートショーに行った時、海保のブースで海上保安官募集のパンフレットをもらい、海上保安官(船乗り)の道が年齢ギリギリで残されていたことが分かり、居ても立っても居られずに海上保安学校を受験したという訳です。

今まで経験した海上保安業務で、印象に残っていることについて教えてください。

入庁以来30数年勤務してきた中で、印象に残っていることは沢山あり、それだけ充実した海上保安官生活を歩んできました。時化の中のレスキューや違反船検挙など挙げれば語り尽くせませんが、やはりこの仕事をしていて印象深いのは、災害対応です。最近のことですが、本職の勤務していた地域で豪雨により地域全域が断水となりました。そこで巡視船から、いち早く市民の皆様に給水支援を行いました。地域の皆様から大変感謝され、とても充実感の得られた経験でした。

船艇勤務の特徴/魅力を教えてください。

船艇勤務は基本的に船(巡視船艇等)に乗船して業務を行うということですが、船を動かし業務に当たるためには、一人の力では成立しません。
それぞれのパートが協力し合いチーム一丸となって当たらなければ、組織として機能しません。
海難救助など特に緊迫した場面では、高度な技術とともにチームワークが大事であり、過酷な状況を乗り越え、救助が成功した時は、仲間とともに喜びを分かち合うことができ誇らしく思えるものです。

仕事をするうえで大切にしていること/心がけていることは何ですか。

先ずは「安全運航」です。安全運航ができずに業務ができるわけがありません。そして安全運航を実現するためにはスキルが必要です。
スキルを身に着けるために心掛けていることは、思慮深く広い視野を持つことです。昔から船乗りの間で言われているシーマンシップを表す言葉があります。「スマートで目先が利いて几帳面、負けじ魂これぞ船乗り」几帳面であるということは、思慮深いことであり、目先が利くとは広い視野を持つという意味だと私なりに解釈しています。シーマンシップは、私の海上保安官としての心構えであり、自分が船乗り(海上保安官)になってから変わらず大切にしている考えです。

海上保安官のやりがいを教えてください。

海上保安官は国家公務員ですが、我々は国民の安全、安心のための仕事をしています。海上保安庁に職種は色々ありますが、我々の業務が国民の皆様から感謝されたときは、やりがいを感じるものです。

入庁を検討している方にメッセージをお願いします。

目的を持って海上保安官になりたい方もいれば、なんとなく公務員になりたいと思っている方もいると思いますが、海上保安庁では仕事の魅力を見付け出せ、立派な海上保安官になれます。本人の努力や頑張りも勿論ですが、是非我々と一緒に、仕事をやりましょう。

前のページへ戻る