特別対談海上保安大学校
卒業生
海上、陸上の様々な業務経験で
幹部としての視野を広げ
リーダーシップを体得する
将来、海上保安庁の幹部となる職員を育てる海上保安大学校。卒業後は、どのようにキャリアを積んでいくのでしょうか。
偶然にも高校の先輩、後輩という木村紗穂子さん、中村秀さんに仕事の内容やこれからの目標などについてお聞きしました。
中村海に囲まれた下関出身で知り合いにも海上保安官が多く、この仕事にはプラスのイメージしかなかったです。大好きな海を守りながら仕事ができる、国家公務員で安定感がある、授業料がかからないので自立できる。そして大学校で学んだことすべてが現場での仕事に役に立つ。でも、大学校に入学して一番心強かったのは、高校の先輩の木村さんがいらしたことです。
木村私も入寮式のときに後輩がいると知って嬉しかったです。私は、父が海上保安官でしたが、まさか自分が父と同じ道に進むとは思っていませんでした。実は大学校を強力に薦めたのは母でした。
中村木村さんは、私を見かけると気軽に声をかけてくださったり、何かと気にかけてくださいました。私が4年生のときには、木村さんが大学校の学生課の教官として着任されたこともありました。
木村私は卒業後、銚子保安部で巡視船に1年9カ月乗り、その後大学校の学生課に異動しました。主な業務は寮生活の管理。女子学生が増えてきた時期だったので、サポートする意味合いもありました。
「常に新しい学びがあります」
中村海上保安官というと、海上で活躍するイメージが強いですが、陸上での仕事も多様で手応えを感じますよね。
木村特に、大学校卒の私たちは数年ごとに海と陸の仕事に就きながらキャリアを積んでいくので、常に新しい学びの連続。大学校での教官の仕事は、「自分が理解していることを人に伝える」ことの難しさを感じました。
中村私は、最初の任務で網走の巡視船ゆうばりに、次は横浜で巡視船ひりゆうに、主任航海士として乗船しています。
木村巡視船といっても、船それぞれに特色があり、勤務地によっても仕事は違いますよね。中村はい。オホーツク海メインで稼働するゆうばりは、航海パトロールや取り締まり、海難救助などの通常業務はもちろん、冬場は雪かき、氷かきなどもしないと本来の仕事が始められません。一方、ひりゆうは海上火災に対応する消防船。船の構造もキャラクターも全く違うので、毎日が勉強です。
「チーム力の大切さを感じます」
木村中村さんもそうだと思いますが、私たちは大学校を出て最初の勤務先で部下がいます。これは、一般企業と比べると珍しいですよね。
中村そうですね。まさに、いきなり中間管理職になってしまう(笑)。船では同じメンバーで過ごす時間が長いですから、チームの雰囲気をよい方向に維持することも大切です。私はムードメーカー的な役に徹しながら、伝えなければならないことは躊躇なくはっきりと言うように心がけています。部下の年齢層も幅広いので、ベテランの意見も聞きつつ流されないように。
木村本庁の仕事でも、経験値が圧倒的に低い中で、色々な立場の人たちと上手にコミュニケーションをとりながら最良の答えを出していくのが私たちの仕事であり、いいチームをつくる秘訣だと思っています。
「自分の未来への選択肢は広い」
中村海上保安官は多様な業務があります。それは、自分の未来における選択肢も広いということだと思っています。
木村その通りですね。特に最近は、ワークライフバランスも改善されて各々の個性を発揮しやすくなっていると思います。
中村私は、英語や国際法をもっと勉強して、将来的には海外勤務に就いてみたいと思っているんです。世界の海で、色々な人の役に立てたら最高です。
木村同郷の仲間として、私も応援しています!
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現場に出て、
海保の仕事の多様性を
改めて実感
将来は世界の海を
舞台に働きたい海上保安大学校 本科 第一群(航海)
2019年3月卒業- 出身地
- 山口県
- 出身校
- 山口県立下関西高等学校
- 休日の過ごし方
- ランニング、ジム
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分野の違う仕事を
経験することで
自分の引き出しが
増えていくのが楽しみ海上保安大学校 本科 第一群(航海)
2016年3月卒業- 出身地
- 山口県
- 出身校
- 山口県立下関西高等学校
- 休日の過ごし方
- とことん怠ける