令和4年4月23日午後1時13分頃、第一管区海上保安本部では、知床半島沿岸沖を航行中の遊覧船「KAZUT(カズワン)」の海難情報を受け、巡視船艇、航空機等を発動し、対応にあたりました。
海上保安庁では、警察や自衛隊といった関係機関や関係自治体の勢力に加え、水難救済会所属のボランティア救助員や地元の漁船を含む民間救助船等とも協力して捜索救助活動を実施しており、これまでに、巡視船艇延べ1077隻、航空機延べ309機(令和5年3月31日)の勢力で対応しています。
海上保安庁では、事故発生後、関係機関との迅速な情報共有や連携協力に関し、直ちに徹底的な点検を行いました。同点検を踏まえ、防衛省・自衛隊との間においては、自衛隊への災害派遣要請に関し、初動時において現場の状況にかかる情報が不足する場合であっても、事故発生直後から情報共有のうえ即時に災害派遣要請できるよう、手続きを見直し、迅速化を図りました。また、警察や消防等の関係機関との間においては、中央及び地方レベルにおいて、情報伝達訓練や海難救助を想定した実動訓練を実施するなど、情報共有の迅速化を含め、関係機関との連携を強化しました。
さらに、北海道東部海域における救助・救急体制を強化するため、釧路航空基地に機動救難士を新たに配置したほか、同基地へのヘリコプターの増強やオホーツク海域に面する部署への大型巡視船の配備を行うことにより、更なる救助・救急体制の強化を図ることとしています。
知床岬沖での巡視船による捜索状況
民間救助船による捜索状況
海岸部の捜索状況