四方を海に囲まれ、広大な領海と排他的経済水域を有する、世界屈指の海洋国家日本にとって、「海」がもたらすものは恩恵のみではありません。
海上保安庁は、昭和23年の創設以来、脈々と受け継ぐ「正義仁愛」の精神のもと、「海」がもたらす様々な脅威から、国民の安全と安心を守り抜くため、昼夜を問わず多岐にわたる業務を遂行しています。
日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増し、複雑な状況にある今、海上における法執行機関である海上保安庁が担う役割が不可欠であることが確認され、新たな国家安全保障戦略等の策定にあわせて、海上保安能力強化に関する方針が決定されました。
この「海上保安レポート2023」では、「未来を守る、海上保安庁」をテーマに、海上保安業務に関する最新の情勢と今後の展望、厳しさを増す日本の周辺海域における情勢に対応し日本の未来を守り抜くために必要となる6つの海上保安能力について紹介しています。
平和で豊かな海を守り抜き、次世代に継承するため、海上保安能力強化に関する方針に基づく海上保安能力強化を一層推進するとともに、海上保安庁全職員が一丸となり、任務を全うしてまいります。
本書をお読みになり、海上保安庁に対するご理解が少しでも深まれば幸いです。
令和5年5月