離陸したシーガーディアン
令和4年10月19日、海上保安庁初となる無操縦者航空機「シーガーディアン」が運用拠点である海上自衛隊八戸飛行場を離陸し、海上保安庁の歴史に新たな1ページを刻みました。
無操縦者航空機とは、地上のコントロール施設から衛星等を介して遠隔で操縦するシステムを有する航空機です。
海上保安庁では、平成28年に海上保安体制強化に関する関係閣僚会議で決定された「海上保安体制強化に関する方針」に基づく海洋監視体制強化の取組の一環として、新技術を用いた効果的・効率的な体制を構築すべく、導入の検討を開始しました。令和2年には、シーガーディアンを用いた飛行実証を実施し、無操縦者航空機の安全性を確認した上で、より効果的・効率的に海上保安業務を遂行できるとの結論に至り、導入を決定しました。
シーガーディアンは、24時間以上の航続性能により広範囲かつ昼夜を問わない情報収集が可能であり、搭載している高性能の可視カメラ、赤外線カメラにより船舶等の細部まで鮮明に撮影できるなど、これまでより得られる情報の量と質が向上しています。また、撮影した映像などの情報をリアルタイムかつ長時間にわたり、安定的に本庁などの陸上部署と共有できることもシーガーディアンの大きな強みであり、より正確で効率的な状況把握と迅速な判断につながるものと考えています。
今後は、無操縦者航空機の運用体制をさらに充実させ、これを活用することにより、我が国周辺海域における海洋監視体制をより一層強化してまいります。また、その監視能力やリアルタイムの情報共有機能を駆使し、災害や海難の発生時における効果的な活用にも大きく期待しています。
地上コックピット
シーガーディアンが撮影した可視画像
雪の中のシーガーディアン