Column Vol.09
「GEBCO指導委員会」委員長に谷前海洋情報部長が選出されました
本庁海洋情報部
「GEBCO指導委員会」委員長に谷前海洋情報部長が選出されました
本庁海洋情報部
谷 伸 前部長 |
全世界の海洋に関する海底地形図の作成プロジェクトを推進する「GEBCO(ジェブコ)指導委員会」の委員長に、平成25年10月11日、海上保安庁の谷伸海洋情報部長(当時)が日本人として初めて選出されました。この選出は、谷前部長のGEBCOプロジェクトへの深い関与と豊富な科学的知識が評価されたものです。過去にはエリザベス女王の科学顧問であったロートン卿も本委員長を務めており、谷前部長は6代目となります。
四つのプレートがぶつかり合い、1,000万人都市のすぐ近くに水深9,000m以上の海溝があるなど世界的に見ても極めて複雑な海底地形を有する我が国は、海底の神秘を明らかにするため、また、地震や火山噴火のメカニズムの解明などのために古くから海底地形の調査と海底地形図の作成に力を入れてきました。平成24年に認められた日本の面積の8割に相当する31万km2に及ぶ我が国の大陸棚延伸においても、精緻な海底地形の情報が重要な役割を果たしました。これらの調査を通じて蓄積した技術と能力により、我が国は海底地形調査や海底地形図作成に関する世界の最先進国とされており、このことも谷前部長が委員長に選出された理由の一つでしょう。
今後、谷前部長は、海底地形データの存在しない海域の特定や、流通されていないデータの掘り起しなど、困難な課題に取り組むとともに、海底地形情報へのニーズを把握し、ニーズに応じた地形図や地形データの作製を指揮していくこととなります。
◆GEBCO指導委員会が作成する海底地形図 |