海上保安レポート 2006

●はじめに


■TOPICS 海上保安の一年


■特集1 国際展開する海上保安庁

■特集2 刷新図る海保の勢力


海上保安庁の業務・体制


■本編

治安の確保

生命を救う

青い海を護る

災害に備える

海を識る

航海を支える


海保のサポーター


海上保安官を目指す!


語句説明・索引


図表索引


資料編


海上保安官を目指す! > JCG Academy 海上保安大学校
JCG Academy 海上保安大学校

行進する学生
▲行進する学生
国際航海実習
▲国際航海実習
フィリピンコーストガードとの交流
▲フィリピンコーストガードとの交流
 海上保安大学校(広島県)は将来の海上保安庁の幹部となる職員として必要な学術及び技能を教授し、心身の錬成を図ることを目的に設置された教育機関です。教育内容は、大学設置基準に準じて組まれており、教育期間は本科4年と専攻科6カ月の合計4年6カ月です。講座は、行政法、国際法、刑法などの法律関係や海上保安行政関係が中心であり、2学年後期からは、第一群(航海)、第二群(機関)又は第三群(情報通信)のいずれかの分野を専攻し、海事関係の知識を修得します。
 また、3学年からは警察学又は安全学の分野を選択し、海上犯罪論や海難救助工学など、海上保安行政に必要とされる専門知識をさらに掘り下げ、知識を深めます。
 卒業生には学士の学位が授与されるほか、大学院への入学資格が認められます。希望と適性により一般大学、大学院に進学することもでき、そこで得た専門知識を業務に活かすこともできます。専攻科では、世界一周の国際航海実習のほか、犯罪捜査・鑑識、海難救助等の海上保安業務の実務研修を行います。
 専攻科修了後は巡視船で勤務し、犯罪捜査、海難救助などの業務に従事します。その後は、陸上勤務、海上勤務の双方を経験し、キャリアアップしていきます。また希望と適正により飛行士、特殊救難隊潜水士、国際取締官などの分野に進む者、国内大学院での研修や海外留学、在外公館勤務・他省庁への出向を経験する者もおり、活躍の場は幅広いものとなっています。
 また、海上保安大学校には、海上保安庁が直面している課題が国際化・高度化の一途をたどっている現状に対応するため、国際海洋政策に関する学際的かつ総合的な研究を推進することを目的として、国際海洋政策研究センターが設置されています。ここでは、これまでに行ってきた独自の研究に加え、国内外の研究機関との共同研究を推進し、その研究成果を学会や各種国際会議に発信するなど、我が国の海洋政策に関する研究をリードしていくことを目指しています。
 これらのほか、平成17年度では、日本財団の支援事業の一環として、海上保安大学校の学生を短期在外調査研究のため、米国、英国、タイ、シンガポールに派遣するなど、幅広い交流を行っています。

海上保安シミュレーションセンター

 海上保安庁の業務が多様化する中、巡視船艇の安全な運航のためには、ブリッジリソースマネジメント等の新しい概念を取り込んだ訓練が必要です。
 「海上保安シミュレーションセンター」は、巡視船艇の安全な運航のための訓練や強行接舷に関する訓練などを実施するため、日本財団及び(財)海上保安協会の支援により、海上保安大学校(広島県)に平成16年10月に建設されました。
 この施設の活用により、過酷な気象・海象条件の中での業務の再現や、従来の強行接舷訓練に伴う船体破損等の危険性から解放された強行接舷訓練などを効率よく実施することができ、海上保安庁の業務遂行能力の向上が期待されています。
海上保安シミュレーションセンター
▲海上保安シミュレーションセンター