令和4年の海上犯罪の送致件数は、7,323件であり、平成30年以降、減少が続いていた送致件数が5年ぶりに増加(前年比875件増)しました。送致件数を法令別に見ると、海事関係法令違反が2,736件と最も多く全体の37.4%を占め、次いで漁業関係法令違反が2,563件(35.0%)、刑法犯が774件(10.6%)、海上環境関係法令違反が618件(8.4%)となっています。
海事関係法令違反では、検査を受けていない船舶を航行させる無検査航行や定員超過等の船舶安全法関係法令違反が1,100件(40.2%)と最も多く、漁業関係法令違反では、漁業権侵害や水産動植物の違法採捕所持販売、無許可操業等のいわゆる国内密漁事犯が2,548件(99.4%)、刑法犯では、衝突や乗揚げ等の船舶の往来の危険を生じさせる等の罪(業務上過失往来危険等)が521件(67.3%)、乗船者を負傷させる等の過失傷害等の罪が93件(12.0%)、海上環境関係法令違反では、船舶からの油や有害液体物質の排出等を禁止する海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律違反が328件(53.1%)とそれぞれ多く発生しています。
このほか、薬物や銃器の不法輸入(いわゆる密輸)や刃物の不法携帯等を規制する薬物・銃器関係法令違反を92件、不法出入国(いわゆる密航)や不法就労等を規制する出入国関係法令違反を18件送致しています。