海上保安庁では、昭和54年に海上保安学校で女子学生の採用を開始し、令和2年4月1日現在、1,066人(全職員の7.4%)が活躍しています。管区海上保安本部の部長や海上保安部部長、巡視艇船長、パイロット、運用管制官等様々な業務をしています。
令和元年度、外国海上保安機関の能力向上支援を担う専従部門(海上保安庁モバイルコーポレーションチーム)に派遣協力官として女性海上保安官が仲間入りし、各国の技術指導に当たっています。女性被疑者の対応や注意すべきこと等女性視点からアドバイスをしています。
また、南極観測隊にも女性海上保安官が派遣され、4ヶ月間にわたり南極海の海底地形調査や潮汐の調査等を行いました。
管区本部交通部長
巡視艇船長
パイロット
運用管制官
南極観測隊
モバイルコーポレーションチーム 派遣協力官
女性職員数の推移及び割合 (令和2年4月1日現在)
- ●陸上部署や巡視船等に女性専用の浴室、トイレ、洗濯室等を完備しています。
- ●巡視船建造の際、女性諸室(風呂、トイレ、洗濯室)の家具や手すりの配置について、女性職員からの意見を参考に整備を進めています。
管区海上保安本部 談話スペース
巡視船内収納スペースの確保
- ●妊娠中の職員も快適に仕事ができるようマタニティ服を導入し、平成30年4月から貸出しを開始しています。
マタニティ服
- ●外部講師を招いて、職員のライフワークバランスの推進やハラスメント防止のための研修等職場環境改善に関する研修を開催しています。
第四管区海上保安本部 尾鷲海上保安部長
松浦 あずさ
全国コンクールで尾鷲節を唄う部長 |
地域の方と交流する尾鷲海上保安部長 |
「部下職員の『人としての幸せ』を大切に育てよ。」これは尊敬する上司の遺言です。現場のリーダーとなった今、第一線で活躍するチーム尾鷲のプレイヤー達の幸福度向上が私の最大のミッションです。仕事を通じて感じる幸せは、貢献と成長の実感がカギ。一見「滅私奉公」が美徳とも思われがちな当庁の現場で、自己犠牲ではなく自己実現を目指し、仲間達と地域や社会への「貢献」や、活動を通じた「成長」を追求して研鑽の毎日です。
赴任地での出会いは、私の人生の彩りそのもの。地域貢献の思いを強く持つためだけでなく、自分自身の人生を豊かにするためにも、プライベートでの地域の皆さんとの交流は不可欠です。ここ尾鷲では民謡「尾鷲節」のお稽古を通じて地域の皆さんと親しく楽しく交流させていただき私自身の「人としての幸せ」も強く実感。とっても充実しています!
新潟海上保安部 巡視艇「ゆきつばき」船長
姥山 佳寿美
巡視艇「ゆきつばき」を操る船長 |
子供と自宅で過ごす船長 |
巡視艇ゆきつばき船長として勤務しています。出産後は、育児休暇や第九管区海上保安本部での陸上勤務を経て、11年ぶりの船での勤務に不安もありましたが、優秀な乗組員と周囲からの温かい理解に恵まれ、船長1年生として、挑戦の毎日を送っています。事件捜査で深夜まで勤務が及ぶことや、海難対応で、荒天の中、出港することなど、苦労を感じる場面も多いですが、「新潟の海を守る」という気概で取り組んでいます。
家に帰れば、2人の子供が待っています。授業参観や運動会などの行事があれば、休みをいただいて参加します。忙しい日は帰りが遅くなることもありますが、弟の面倒を良く見てくれる娘と、ママ大好きを力いっぱい体現する息子に日々癒されます。私の仕事を理解したうえで、家事を負担してくれる夫にも感謝しています。