※海上保安庁では、家庭を優先させるとの想いを込め、「ワークライフバランス」ではなく「ライフワークバランス」と称しています。
全ての職員が、自分の生活を大切にしながら、生き生きと働き続けられるよう、それぞれの状況に応じて両立支援制度が用意されています。
職員本人が出産する場合はもちろん、配偶者が出産を控えている職員にも、産休制度(配偶者出産休暇2日、育児参加のための休暇5日)があり、その後も育児休業(子が3歳になる日まで取得可能)や、フレックスタイム勤務、育児短時間勤務など様々な制度を利用することができます。
管理職員から職員に対して各種制度を紹介し、取得を促すなど活用促進の取組も行っています。
第二管区海上保安本部 警備救難部 警備課
若生 仁
管区本部専門官という要職に就いている時に、約半年間の育休を取得しました。育休取得前は、私が不在となった場合、他の職員が私の職務を負担するものと考え、長期的な休業を取得することに不安を感じていました。この不安を素直に上司に相談したところ、育休期間中私の役職に他の職員を配置させるなど、大変な配慮をしていただきました。結果、不安は一気に解消され、安心して育休を取得することができました。
海上保安庁では、育休取得のための環境整備が急速に進んでいます。
一方で、育休取得希望者は、少なからず不安を抱えていることも事実であるため、現在、私達育休経験者が相談員となるなど、育休経験者だからこそできることを、今後も見出していきたいと思います。
第二管区海上保安本部 総務部 総務課長(当時:同本部警備課長)
立石 良介
若生君から、育児休業取得の相談を受けました。休業で不在となる若生君の役割を、今で言うところの「One Team」で対応です。一致団結して物事に取り組むことは、海上保安官が得意とするところ。現場に出る前に、海上保安学校又は大学校で寮生活をし、その後は現場で船の生活を通じて、まさに同じ釜の飯を食べる家族のように生活をします。自然と、互いに支え合うということが身についているからこそ、できたことではないかと思います。
休業した本人も、納得のいく育児ライフを過ごした様子で、職場復帰後に元気な挨拶があり、さらに気力充実して職務に専念してくれることが期待できました。職場としても良いサイクルで回るのではないかと思います。
上司としては、今後も育児休業を取得したいと思っている職員の背中を押してあげることが重要だなと感じました。
第八管区海上保安本部 敦賀海上保安部 福井海上保安署
川谷内 佳之
私は福井港における船舶の入出港に関する手続きや、港内で行われる行事や作業の許可等の窓口業務のほか、職員の勤務時間管理等、保安署内の様々な業務を担当しています。
船は一度出港すると入港までの間三交代制の“当直”を組み、休むことなく運航されますが、育児も同様に休むことはできません。
私は第一子の出産の際、「男の産休」取得にあたり、妻にしっかり休んでもらうため、妻と交代で“当直”を組んで育児に取り組む計画を立てました。
休暇中には、日に日に成長していく息子を間近で見ることができ、育児や家事を分担して行うことで、出産直後の妻への負担を少しは軽くできたのではないかと感じます。
休暇取得中の業務分担を快く受け入れてくださったり、職場復帰後も「お子さんのヨンパーワッチ頑張って!」と家路を急ぐ私に声をかけてくださったりと、職場では「船乗り」ならではの仕事と生活の調和がとられています。
第十管区海上保安本部 交通部 安全対策課
金子 綾子
私の主な業務は、エリア内の海上安全に関する情報とりまとめや、「海の安全情報」の原稿作成や発信する仕事です。この他にも、課内職員のとりまとめなど庶務業務も担っています。
私には2人の子どもがおり、別々の園に通園しているため送迎は大変ですが、育児短時間勤務を利用し、設定した時間までの勤務をしています。
慌ただしい毎日ですが、仕事をすることで育児へのメリハリをつけることができ、充実した生活を送っていると思います。
仕事と育児の両立についてとても悩んだ時期がありましたが、職場のフォローや実家の助けで自分の仕事を諦めることなく子どもの成長も楽しむことができ、日々感謝しています。今後は、フルタイム勤務も視野にいれ頑張っていけたらと思っています。
海上保安庁 総務部 人事課
佃 絵里奈
テレワークの導入は、政府全体で取組が進められており、海上保安庁においても平成30年度から試行を開始しています。
満員電車の通勤を回避し時間を有効に使えるほか、家族の病気やケガに寄り添いながら仕事ができると好評です。
いつもより園のお迎えの時刻を早くできたり、普段は鍵っ子の娘を「おかえり」と迎えることができることが私にとっての最大のメリットです。
海上保安庁は、職員のニーズに沿った多様な働き方ができるよう改善を続けています。