海上保安大学校は、広島県呉市に所在し、将来、海上保安庁の幹部となる職員を養成するための海上保安庁の教育機関です。
3学年二群 一廣 茜寧
父親が海上保安官で、小さい頃から、海上保安庁の存在は知っていました。高校生のとき、人間的にも更に成長したいと思い、海上保安大学校を志望しました。3学年では、練習船で日本一周の航海実習が行われ、訓練や船内での生活を通じて、入学して初めて、近い将来、自分が幹部海上保安官になるという実感が湧きました。
海上保安大学校は、勉学や訓練できついと感じることもありますが、学生が主体となって、学生祭や部活動なども行え、また、いつも近くに、尊敬できる上級生や支えてくれる下級生、共に成長する同期のおかげで、きついことは乗り越え、楽しいことは共有し、充実した日々を送っています。
3学年一群 師岡 寛也
私は幼い頃から、人命救助に携わる仕事に就きたいと思っており、メディアを通じて、海上保安官の存在を知り、漠然と憧れを抱いていました。東日本大震災を経験し、その過酷な現場で、時々刻々と状況が変化する中、任務を遂行する海上保安官の姿を見て、憧れが明確な目標に変わり本校への入学を決意しました。
私は将来、潜水士として海難現場の最前線で活躍することが目標です。加えて現場では、指揮官として安全管理を徹底しつつ、仲間に指示しなければなりません。大学校生活も残り1年となりましたが、現場を見据え、目標に向かって、自分に必要なものは何かを模索しながら、日々成長できるよう過ごしていきたいと思います。
大学校生活では、四苦八苦することもありますが、共に過ごす同期と乗り越えることで充実した日々を送ることができます。この呉の地で在校生一同、皆さんの入学をお待ちしています。
- ●適性や希望に応じて様々な研修を受けることで、外交官や他省庁への出向など、様々なキャリアアップを図っていくことができます。
※一例であり、個人の希望や適性等により異なります。
海上保安大学校長 下野 浩司
初任科を志す皆さんを心から歓迎します。
海上保安大学校は幹部職員を養成する海上保安庁の教育機関です。当校では、学生、研修生が日々、授業・訓練・実習等に励むとともに、全寮制の生活を通じて、先輩、後輩、同期の繋がりを育み、将来の幹部職員となるべく、日々、研鑽、努力を続けています。
当校では、初任科が始まることから、充実、かつ、円滑な研修が行われるよう、授業・訓練・実習内容、生活環境、教官陣容等、万全の準備、体制を整え、多くの皆さんが当校の門を叩いてくれることを心待ちにしています。
また、海上保安業務を取り巻く環境、状況は益々、複雑化、国際化してきており、今後、当校を卒業した学生、研修生とともに、初任科を修了した皆さんの大いなる活躍、活動が期待されています。
初任科を志す皆さん、日本の海の安心、安全を守る海上保安庁の幹部職員となるべく、当校で学生、研修生とともに大いに切磋琢磨しましょう!
- ●適性や希望に応じて様々な研修を受けることで、外交官や他省庁への出向など、様々なキャリアアップを図っていくことができます。
※一例であり、個人の希望や適性等により異なります。
海上保安学校は、京都府舞鶴市に所在し、海上保安庁の各分野における専門の職員を養成する海上保安庁の教育機関です。
小型船舶の操縦実習
制圧術訓練
管制実習
火災消火実習
測量実習
船舶運航システム課程航海コース 渡邊 昂俊
大学時代に行っていたライフセービングを通して、海辺における人命救助や海の環境保全に関わりがあったこともあり、将来はこの経験を活かしつつ、海を舞台とした職業に携わりたいと思い、海上保安官になることを決意しました。入学当初は「1年間の集団生活」という、今まで経験したことのない状況に、戸惑うことが多々ありましたが、様々な学校行事や仲間との日々の生活を過ごしていくうちに、不安や戸惑いはなくなり、今では楽しい生活を送っています。
将来は、大学で学んだ救急救命士の知識を活かして、全国に36名しかいない海難救助のスペシャリストである「特殊救難隊」を目指しており、毎日の授業や訓練は勿論のこと、空き時間を利用して、自主トレーニングにも力を注いでいます。
卒業後は、海上保安官として現場に配属され、今まで以上の苦難や厳しい現場が待ち構えていると思いますが、海上保安学校で学んだ技術・知識や培った友情を糧に乗り越え、目標に向かって日々精進していきます。
管制課程 納谷 咲乃
私は、幼い頃から身近に海がある環境で育ってきました。海を舞台にして働きたいと思っていたところ、映画の「海猿」を見て海上保安庁を知り、海上保安官という職業に興味を抱きました。映画の影響もあり、初めは巡視船での業務に携わりたく、「船舶運航システム課程」を受験しようと思っていました。しかし、備讃瀬戸海上交通センターで行われた一般公開に参加した際に、船舶交通の安全を支える運用管制官の仕事に感銘を受け「管制課程」を志望し、入学しました。
私は運動が不得意なのですが、周りに支えられながら、日々の体力練成に励んでいます。入学当初は人数の多さなどに戸惑いもありましたが、今では性別、年齢に関係なく全国から集まった多くの先輩、同期の皆がかけがえの無い大切な仲間となっています。管制課程であっても、乗船実習もあり、操船者側の立場になって考えたり、無線設備について理解をより深めたりするなど、とても良い経験を重ねています。
日々、自分自身の成長を感じることができ、入学して良かったと思っています。
※一例であり、個人の希望や適性等により異なります。
一定の期間、現場で仕事をした後、選抜された職員については、海上保安大学校の特修科に進み、幹部職員となる道もあります。
海上保安学校門司分校は、船舶や航空機、無線通信の有資格者を受け入れ、海上保安官に必要な知識、技能等を研修する海上保安庁の教育機関です。
初任者課程第82期 一戸 俊介
私は大学卒業後、消防士として勤務していました。学生時代から海上保安官への強い憧れがあり、転職に不安はありましたが、悔いのない人生を歩みたいという気持ちが勝り、海上保安学校門司分校に入校しました。着校初日から日課表に沿った規律ある生活が始まり、法令を中心とした教務・体力練成・実技訓練等、やるべきことが山積し時間に追われる毎日を送っていますが、教官方の叱咤激励や苦しい時に助けてくれる同期のおかげで生活にも順応することができ、厳しい環境の中にも楽しさを見出しながら充実した日々を過ごしています。
今後も武器操法や航海実習など海上保安官として国民を守るために必要な知識・技能を習得するため、厳しい訓練が待ち構えていますが、同じ志を持った同期と共に困難に立ち向かい、残りの限られた時間を1秒も無駄にすることなく過ごし、現場の「即戦力」となれるように頑張ります。
宮城分校
北九州航空研修センター
宮城分校及び北九州航空研修センターは、海上保安学校を卒業後の職員が海上保安庁の航空要員となるための研修を行う教育機関です。
操縦士の養成は、ヘリコプター操縦士は宮城分校にて、飛行機操縦士は北九州航空研修センターにて、それぞれ研修を行います。
海上保安学校宮城分校 回転翼基礎課程 長田 智也
私は幼い頃からパイロットを目指しており、航空基地見学の際、ヘリコプターの魅力を知り入庁を決意しました。
宮城分校では免許取得のため座学と実機操縦訓練を約1年6カ月間行いますが、習得しなければならない知識や技能が多く、パイロットへの道の厳しさを痛感しています。
しかし、教官方の熱心な指導や切磋琢磨し合える同期の存在に助けられ、充実した日々を過ごすことができています。何よりも空を飛ぶことは楽しく、フライト毎に感じる達成感はひとしおです。自らの手で直接人を助けることが出来ることは、ヘリコプターの強みであり大きなやりがいです。「人の役に立ちたい」「人を助けたい」と思う方は海上保安庁のパイロットを目指してみてください。
卒業後は全国各地の航空基地や巡視船に配属され第一線で業務に臨みます。国民の皆様の期待に応えられるパイロットを目指し、恵まれた環境で学べる事の幸せと多くの方々に支えていただけることへの感謝の気持ちを忘れずに、これからも邁進していきたいです。
※一例であり、個人の希望や適性等により異なります。
海洋情報部 技術・国際課 片桐 康孝
就職を考えたとき、科学や技術をテーマに様々な人と関われる仕事をしたいと思い、海洋情報部を訪問しました。
入庁後は、国家プロジェクトであった大陸棚の延伸事業に参加しました。途中、最先端の海洋調査技術を勉強するため米国の大学院に留学したりしながら、多くの専門家と協力し、国連に提出するための科学的な資料の作成に取り組みました。また、水産庁に出向する機会もあり、そこでは研究者や漁業者の皆さんと協力、時には意見の食い違いもありましたが、科学に基づいた水産資源の管理行政に携わりました。
振り返ってみれば、入庁時の思い通りの仕事ができています。最近は海の分野でも情報通信技術の発展が著しいです。これらの技術にも追いつきながら、海を舞台に社会貢献をしたいと考えています。
高松海上保安部長 五十嵐 耕
1986年、技術系総合職として採用されました。海上交通の安全に対する技術的アプローチは多方面にわたっていることから、特定分野の知識だけでは対応できず、総合力を求められることが魅力です。そのときどきのニーズにあわせて、さまざまな案件に取り組んできました。航路標識用太陽光発電システムやLED灯器、新型デジタルレーダの導入・改良などの純技術業務ばかりでなく、米国からの電波航法システム移管に際しては工事予算管理を担当、海上交通センターの組織立上げや庁内情報通信システムの刷新などにも携わりました。現在は、世界有数の輻輳海域を管轄する海上保安部を率いて、海の安全・安心を支えています。
技術と海上保安業務の双方に精通する立場で海を守ることが、この仕事の醍醐味です。
※一例であり、個人の希望や適性等により異なります。
人事院実施の総合職試験及び一般職試験の合格者を対象に官庁訪問等の面談を実施してからの採用となります。また、年によって採用予定人数が異なりますので人事院HP等でご確認をお願いします。
入学と同時に国家公務員としての身分が与えられます。入学金や授業料等は一切不要で、給与や期末手当、勤勉手当(いわゆるボーナス)が支給されます。
また、国土交通省職員として、国土交通省共済組合員としての社会保障を受けることが可能です。
ほとんどの海上保安官は、大学校・学校を卒業後巡視船艇に配属されます。その後は、経験をつみながら、自分の適性や希望に応じて様々な研修を受けることで、それぞれが目指す道に向けてキャリアアップを図っていきます。
海上保安学校卒業者・門司分校修了生を対象とした将来の幹部候補生を養成する研修です。一定期間現場で仕事をした後、選抜された職員が、初級幹部として必要な素養を身につけます。
行進
海難事故が発生した場合に、転覆船舶等に取り残された方の救出や漂流者の救助等にあたる潜水士を養成する研修です。約2か月にわたる研修・訓練では、潜水業務に必要な知識・技術、転覆船を想定した救助活動等を行います。
潜水研修
航空機の整備を行うエキスパートを養成する研修です。海上保安学校在学中に選抜試験に合格した者等が、航空機の機種毎に必要な知識・技能を身につけます。
ケーブル調整
外国人犯罪の捜査を行うためには外国語が不可欠であり現場の捜査で必要なプロフェッショナルを養成する研修です。研修修了後国際捜査官等として犯罪捜査等の業務に従事します。
語学研修
海上保安官の給与(諸手当を含む)は、一般職の国家公務員の給与に関する法律等の法令の定めに従い支給されています。以下に海上保安官の月収の例を紹介します。
- ●海上保安大学校、海上保安学校、海上保安学校門司分校は、入学金、授業料等は一切不要です。学生生活に必要な制服や寝具等は貸与されます。なお、教科書、食費、身の回り品等は自己負担です。
- ●入学と同時に国家公務員としての身分を与えられるため、海上保安大学校、海上保安学校では、毎月約15万円(令和元年度)の給与や期末手当、勤勉手当(いわゆるボーナス)が、海上保安学校門司分校では、入校までの職務経歴に応じた給与等が支給されます。
- ●国土交通省職員として、国土交通省共済組合員としての社会保障を受けることができます。
試験日程(令和2年度) ※新型コロナウイルスをめぐる状況により、変更となる場合があります。