Column Vol.07
貨物船の橋梁衝突〜島の生活を脅かす〜
本庁警備救難部、本庁交通部
貨物船の橋梁衝突〜島の生活を脅かす〜
本庁警備救難部、本庁交通部
平成30年10月22日午前1時30分頃、山口県柳井市と周防大島を結ぶ大島大橋下を通航中の船舶から、「橋梁灯が消えており、橋からケーブルが垂れ下がっている。」との通報を受けました。
直ちに柳井海上保安署所属の巡視艇を現場に急行させ状況を確認したところ、橋梁に設置されている灯火類の消灯、送水管等の切断を確認し、日出後、衝突によるものと思われる痕跡を確認しました。
海上保安庁では、付近航行船舶の安全を確保するため、直ちに、航行警報の発出及び海の安全情報により注意を呼びかけるとともに、巡視艇により周囲の警戒に当たりました。
また、周防大島では送水管の切断による断水のため、翌23日から、山口県からの要請に基づき、巡視艇による給水支援を実施しました。
その後の調査の結果、マルタ船籍の貨物船が、大島大橋の橋梁に同船のマストを衝突させたことを突き止め、船長等を業務上過失往来危険の容疑で検挙しました。
なお、海上保安庁では、事故の再発防止策として、同橋周辺海域を航行しようとする一定の船舶に対し、平成31年2月1日からAIS等による注意喚起を開始しています。
大島大橋の状況
マストが折れ曲がった貨物船の状況
垂れ下がった水道管などのライフラインの状況
巡視艇による給水支援の状況