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CHAPTER I. 海難救助の現況
(1)人の救助
①海浜事故
平成29年のマリンレジャー(遊泳中、釣り中等)に関する海浜事故の事故者は805人であり、このうち、自力救助を含め560人が救助されました。
一方、マリンレジャー以外(岸壁からの海中転落、自殺等)の海浜事故の事故者は916人であり、自殺した436人を除いた480人のうち、自力救助を含め197人が救助されました。
②船舶乗船中の事故
平成29年の船舶事故(船舶の衝突、乗揚、転覆等)に伴う乗船中の事故(負傷、海中転落等)者は642人であり、自力救助を含め560人が救助されました。
一方、船舶事故以外の乗船中の事故(負傷、海中転落、病気等)者は912人であり、自殺した20人を除いた892人のうち、自力救助を含め712人が救助されました。
(2)船体の救助
平成29年の船舶事故隻数は、1,977隻であり、自力入港を含め1,757隻が救助されました。
海上保安庁では、巡視船艇延べ3,453隻、航空機延べ961機を出動させるなどして救助活動を行いました。
平成29年に海上保安庁が認知した事故4,610件のうち、緊急通報用電話番号「118番」による通報(第一報)を行った件数は1,675件であり、このうち1,102件が携帯電話からの通報でした。
厳しい気象条件下での迅速な救助活動
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座礁している状況 |
平成30年3月1日午前2時35分頃、押船から海上保安庁に対して「和歌山県和深崎沖で乗揚た」との通報がありました。通報を受け、海上保安庁においては巡視船艇や航空機の発動準備を行いましたが、当日現場は雨天かつ暴風警報が発令されているなど、気象海象模様が非常に悪く、当庁の勢力は現場進出が非常に困難でした。
これに加え、強風や波浪の影響を受け船体の半分が沈没し、激しく動揺するなか、船内に取り残された乗組員7名の安否が危ぶまれており、一刻を争う状況でした。
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吊り上げ救助する様子 |
そのような中、関西航空基地所属のヘリコプターが機動救難士を搭乗させて飛び立ち、機動救難士が乗組員としっかり連携した上で機を逃さず降下し、船内に取り残された乗組員7名全員を迅速的確に吊上げ救助しました。
なお、乗組員に怪我等はありませんでした。