海上保安レポート 2014

はじめに


TOPICS 海上保安の一年


特集 海上保安庁の精神 正義仁愛


海上保安庁の任務・体制


■本編

1 治安の確保

2 生命を救う

3 青い海を守る

4 災害に備える

5 海を知る

6 交通の安全を守る

7 海をつなぐ


目指せ! 海上保安官


語句説明・索引


図表索引


資料編

特集 海上保安庁の精神 正義仁愛 > II 人命の保護 人を守り、人に寄り添う > 3 地域に密着した海上保安庁の活動
特集 海上保安庁の精神 正義仁愛
II 人命の保護 人を守り、人に寄り添う
3 地域に密着した海上保安庁の活動
1.ラジオ局との連携(第二管区海上保安本部釜石海上保安部)
協定調印式の様子
協定調印式の様子

東日本大震災での教訓を踏まえ、釜石海上保安部とエフエム岩手は、災害発生時に地域の住民の方々や船舶等の海域利用者に対して、ラジオ放送を通じて緊急の災害情報を迅速・確実に情報提供し、被害の軽減・防止を図ることを目的として、平成25年8月、「災害時等緊急放送の協力に関する協定」を結びました。

この協定はエフエム岩手からの提案を受けて締結されたものですが、すでに同様の協定がエフエム岩手と岩手県警、岩手県内の各消防本部や岩手医科大学との間で締結されており、今回の協定締結により、海陸の防災を担う三機関とこれらの機関と連携して活動を行う医療機関が、災害発生時に入手した情報を県内全域に対して迅速に発信できる体制が整いました。

2.地域の特性に合わせた離岸流による海浜事故防止啓発活動(第九管区海上保安本部・金沢海上保安部)

平成25年6月25日、第九管区海上保安本部と金沢海上保安部は、前年に離岸流(沖へ向かう流れ)によるものと思われる遊泳者の人身事故が多発した海水浴場で、離岸流調査、潜水士による漂流実態調査、報道関係者による離岸流体験を実施しました。

当日は、最初にシーマーカーとブイを使用して、離岸流の向きや速さを調査し、次に潜水士が海に入り、自ら離岸流に流されることで、離岸流の実態調査を行いました。

これらの調査を通じて、実際の離岸流を見ていただいたうえで、潜水士の付き添いを得て報道関係者の方々が、離岸流に流される体験取材を実施し、その模様を報道していただくことで、広く地域の方々に、離岸流について理解を深めていただくとともに、海浜事故の未然防止のための意識を高めていただきました。


シーマーカー・ブイを使用した離岸流調査 報道機関の方々による体験取材
シーマーカー・ブイを使用した離岸流調査 報道機関の方々による体験取材
ライフジャケットの着用推進(第五管区海上保安本部田辺海上保安部)

和歌山県西牟婁郡すさみ町には、多くの釣り人が訪れる人気の磯場が多数あります。このため、田辺海上保安部では、海上保安協会田辺支部、すさみ町と連携・協力し、海中転落事故が多く発生している磯場の近く(2箇所)に海浜事故防止啓発用の石像を設置しました。


海浜事故防止啓発用の石像

救命胴衣着用推進看板

この石像は、すさみ町のマスコットキャラクターである「イノブータン大王」をモデルとして作製したものです。

地域に親しまれている「イノブータン大王」の石像がライフジャケットを着用し、訪れる釣り人に対して、「突然の大波に注意 救命胴衣常時着用」「大波洗う熊野枯木灘 救命胴衣は あなたを守る」と呼びかけています。

田辺海上保安部では、このほかにも、紀南地区海上安全対策協議会と連携・協力して作製した田辺市ゆかりの「弁慶」姿の「救命胴衣着用推進看板」を日高町、印南町、白浜町の役場に3か月にわたって順次設置し、役場を訪れる方々に対しても救命胴衣の着用を呼びかけました。