COLUMN Vol.07
世界でも珍しい鮮明な最終氷河期以降の海面変動の痕跡を発見! 第十一管区海上保安本部
世界でも珍しい鮮明な最終氷河期以降の海面変動の痕跡を発見! 第十一管区海上保安本部
▲水納曽根の海底地形(縦方向に6倍強調) |
今から2万年前の大昔、氷河期の到来で地球上の海水量は減少し、地球上の海面は今より約130m低くなっていたと言われています。その後、長い年月を経て地球上の氷の塊は溶け、徐々に海面は上昇し、現在の海面位置となったと言われています。
平成23年8月までに、測量船「おきしお」で行った沖縄本島西方沖の伊江島・本部半島周辺の海底地形調査では、最終氷河期から現在までに至る4つの海面変動の痕跡が、伊江島周辺一帯で鮮明に捉えることができ、特に水納島周辺で顕著に現れていました。
水納島の西にある水納曽根では、海面下に4つの段が明確に確認されましたが、それぞれが2万年前の最終氷河期から1万2000年前までの海水準の停滞期に形成されたと推定されます。この地形は、最終氷河期以降少なくとも3回の海水準の停滞期があったという最近の有力な学説を明確に支持しています。珊瑚礁に囲まれた沖縄周辺の美ら海には、海面変動の歴史が鮮明に刻み込まれていたわけです。
今回の調査結果のように、はっきりと痕跡が確認できることは世界でも大変珍しく、学術的にも貴重な資料となることでしょう。