皆さんは海に遊びに行ったとき、海岸がペットボトルやビニール袋、空缶などのゴミで一杯になっているのを見かけたことはありませんか?
漂着ゴミで多いのは、ペットボトル、買い物用ビニール袋、飲料水の空缶等、大半が日常生活から発生する身近なゴミです。 漂着ゴミ調査は、主に小中学生の皆さんを対象に、ゴミの大半が生活ゴミであることを知ることで、小さいうちから「ゴミのポイ捨てをしない」という気持ちを持っていただくことを目的に平成12年から始めました。
平成15年に海上保安庁と地域の皆さんが協力し、全国で行った漂着ゴミ調査は110回、参加者数は6,961名、回収したゴミの総重量は78,858kgでした。このうち第七管区海上保安本部で行われた漂着ゴミ調査は31回、参加者数は2,080名、回収したゴミの総重量は66,148kgで、何と回収された漂着ゴミの総重量の84パーセントを占め全国一位となっています。
どうして第七管区海上保安本部で回収したゴミがこんなに多いのでしょうか?それは、第七管区海上保安本部管内では、海をきれいにしようと多くの方々が参加してくださるから、集まるゴミの量も多くなるのです。
それではここで、漂着ゴミ調査に参加してくださる二つのグループをご紹介しましょう。
まず最初に年間を通じて最も参加回数の多い福岡県北九州市若松区の「われら海岸探偵団」ですが、このグループは、平成13年に結成されたボランティアグループで、小中学生を含む地元の皆さんから構成され、平成15年の実施回数は4回、参加者数は延べ129名、回収したゴミの総重量は1,310kg、平成16年も5回、参加者数は延べ176名、回収したゴミの総重量は3,480kgとなっています。そのおかげで、海水浴場を含む地元海岸は、いつもきれいに保たれています。
次に漂着ゴミ調査で大量の漂着ゴミを回収していただいた「釜山外国語大学校」の皆さんを紹介しましょう。
ご存知のとおり、対馬は韓国に近く、そのため海岸にはハングル文字入りの韓国からと思われるゴミがたくさん漂着します。これを知った同大学校の皆さんが「自分たちの国から流れ出たゴミが日本の海岸に漂着しているという現状を知ることで、世界の国が漂着ゴミ問題について真剣に取り組まなければいけない。」との思いから、平成15年初めて対馬に来島し、上対馬町の皆さんと協力して海岸清掃を実施、さらに、平成16年は海浜清掃に併せ、漂着ゴミ調査も実施することになりました。
平成16年5月下旬に同大学校の学生の皆さん140名が来島し、地元のボランティアの皆さんと一緒に2日間かけて海浜清掃を実施した結果、約300トンのゴミが回収され、そのうち約88トンについて漂着ゴミ調査を実施しました。
調査終了後同大学校日本語学科1年生のタク チョンフン君は
「韓国からと思われるゴミの多さに驚きました。日韓の環境美化を目的とした活動が今後も発展していくように、来年も参加したいと思います。」
と感想を述べ対馬を後にされたとのことでした。
第七管区海上保安本部では、毎年管内で行われたすべての漂着ゴミ調査を「ゴミマップ」というポスターにして皆様にお配りするとともにホームページ(http://www.kaiho.mlit.go.jp/07kanku/) で紹介させていただいており、漂着ゴミ調査に参加された方はもちろん、参加されなかった皆様に対しても、漂着ゴミの実情を知っていただくことで「ゴミのポイ捨てをしない」という気持ちを持っていただければ幸いです。