Column Vol.09
東日本大震災から10年〜これからも復旧・復興を願い共に歩む〜
第二管区海上保安本部宮城海上保安部気仙沼海上保安署
東日本大震災から10年〜これからも復旧・復興を願い共に歩む〜
第二管区海上保安本部宮城海上保安部気仙沼海上保安署
令和3年3月は東北地方等を襲った東日本大震災から10年を迎えるところ、未だ気仙沼海上保安署管内海域には多くの津波による流出車両が沈んでいます。
令和2年5月には、管内の離島である大島浦の浜港に沈んでいる車両が発見されました。
震災復興関連工事業者の協力を経て車両を引き揚げ、その後車内捜索を行い、所有者の運転免許証、地元神社のお守り、小銭などが発見されました。
車両については所有者が判明しており、同捜索にも立ち会いました。
立ち会った所有者は、テレビ電話を使って現在商船に乗船中だと言う夫に車両の映像を送りながら涙を流していました。
所有者によれば、震災当時は車両を岸壁に駐車していたので津波により流出したとのことでした。
また、所有者とその家族は津波から無事避難することができたとのことでした。
所有者は、「こんな形でも自分の車が発見され心が安らぐ、ありがとうございます、免許証なども見つけて頂いて感謝の気持ちでいっぱいです」と話していました。
その後も管内において5台の海没車両が発見され、全て引き揚げののち車内捜索を実施、ヘドロまみれになりながらも一人でも多く家族のもとへ帰っていただくために全力で行方不明者の捜索を行いました。
その後、5台の車両については全て所有者が判明し、これにかかる行方不明者はいませんでした。
気仙沼海上保安署管内はまだまだ復興工事が進められているなど、まだまだ復興途上であり、未だ震災の渦中であるということを改めて強く感じさせられました。
気仙沼海上保安署は、震災以降、まさに激動の時期において行方不明者捜索をおこなっていましたが、管内では未だ425名の震災行方不明者がいることからも、引き続き行方不明者の捜索を行っていきます。
車両引き揚げ状況
車両内確認状況
車両内から発見されたお守り
車両内から発見された小銭等
東日本大震災発災当日炎上する気仙沼港内
東日本大震災発災当時被災した気仙沼港内