海上保安レポート 2012

はじめに


TOPICS 海上保安の一年


特集 東日本大震災


海上保安庁の任務・体制


■本編

1 治安の確保

2 領海等を守る

3 生命を救う

4 青い海を守る

CHAPTER 1 海洋環境保全対策
CHAPTER 2 海上環境事犯への対応
COLUMN Vol.05 スケレトネマ・コスタツムは海上保安試験研究センターの生き証人!?

5 災害に備える

6 海を知る

7 交通の安全を守る

8 海をつなぐ


目指せ! 海上保安官


語句説明・索引


図表索引


資料編

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4 青い海を守る
COLUMN Vol.05
スケレトネマ・コスタツムは海上保安試験研究センターの生き証人!? 海上保安試験研究センター

みなさんスケレトネマ・コスタツムって知っていますか?

これは、海洋に分布する珪藻類のプランクトンの一種で、海上に流出した油の処理に使用する薬剤の毒性を検査するために使われています。

毒性が強い油処理剤を散布すると、かえって自然環境を破壊するため、海上で使用できる油処理剤には厳しい基準が設けられています。この基準のひとつに、10lの溶液に1mlの油処理剤を入れた培養液の中で、一週間スケレトネマ・コスタツムが死滅しないという条件があり、スケレトネマ・コスタツムは油処理剤の毒性検査に欠かせないものとなっています。

海上保安試験研究センターでは、油処理剤の認定のための毒性検査や、油処理に適切な処理剤を使わなかった事例で、その薬剤の毒性の強さを調べる業務も行っていることから、10日間に一度無菌化した海水に入れ替えるなど、このスケレトネマ・コスタツムを大切に培養してきました。

海上保安試験研究センターは、本年5月に組織発足40周年を迎えましたが、このスケレトネマ・コスタツムも、海上保安試験研究センターとともに40年にわたり油処理剤の毒性検査を行ってきました。

まさに、スケレトネマ・コスタツムは、海上保安試験研究センターで行われた毒性検査のすべてを知る生き証人なのです。

スケレトネマ・コスタツム スケレトネマ・コスタツムの培養
  ▲スケレトネマ・コスタツムの培養