海上保安レポート 2022

はじめに


TOPICS 海上保安の一年


特集 守り抜く、日本の海。


海上保安庁の任務・体制


■本編

1 治安の確保

2 生命を救う

3 青い海を守る

4 災害に備える

5 海を知る

6 海上交通の安全を守る

7 海をつなぐ


語句説明・索引


図表索引


資料編

2 生命を救う > Column Vol.11 犬命救助!旅客船事故対応合同訓練前に実践的な救助活動
2 生命を救う
Column Vol.11
犬命救助!旅客船事故対応合同訓練前に実践的な救助活動
第八管区海上保安本部舞鶴海上保安部宮津海上保安署

令和3年10月11日、宮津海上保安署と関係機関との旅客船事故対応合同訓練がまさに始まろうとする時、宮津海上保安署は付近にいた老夫婦から「助けてください! 犬が海に落ちた!」旨の救助要請を受けました。要請を受けた宮津海上保安署所属の巡視艇あまかぜ船長ほか職員は直ちに現場に急行しました。

現場は、海面から護岸までの高さ約2メートル、水深約5メートルで人が手を伸ばして犬に届く距離ではありませんでした。たも網も準備していましたが、犬は大きな柴犬であったため、使えそうにありません。護岸上にいる飼い主、巡視艇あまかぜ船長及び消防士が犬に対し「こっちおいで」等呼びかけをするも、犬は必死に犬かきをして疲れたのかだんだんと足が動かなくなりました。

すると、巡視艇あまかぜ船長は「ちょっと行ってくる」と言い残し、脛まで水に浸かりながら、犬を抱きかかえ救助しました。犬は震えていたものの、ほっとした様子。無事に飼い主の元へ返すことができました。

巡視艇あまかぜ船長は、すぐに訓練に戻り、訓練については滞りなく実施され、宮津海上保安署の1日は終了しました。

犬の救助状況1
犬の救助状況2
犬の救助状況