海上保安レポート 2022

はじめに


TOPICS 海上保安の一年


特集 守り抜く、日本の海。


海上保安庁の任務・体制


■本編

1 治安の確保

2 生命を救う

3 青い海を守る

4 災害に備える

5 海を知る

6 海上交通の安全を守る

7 海をつなぐ


語句説明・索引


図表索引


資料編

2 生命を救う > Column Vol.09 来島海峡航路西口付近における貨物船沈没事案
2 生命を救う
Column Vol.09
来島海峡航路西口付近における貨物船沈没事案
第六管区海上保安本部、今治海上保安部、広島航空基地、特殊救難隊

令和3年5月27日午後11時54分頃、来島海峡航路西方海域において、外国籍ケミカルタンカー「ULSAN PIONEER」(総トン数2,696トン、乗組員13名)と日本籍貨物船「白虎」(総トン数11,454トン、乗組員12名)が衝突し、「白虎」が転覆するという海難が発生しました。

今治海上保安部は直ちに全所属巡視艇を出動させ、付近航行船舶と協力して、深夜の海に漂流している「白虎」乗組員9名を救助しましたが、「白虎」は衝突から約3時間後に水深約60メートルの海底に沈没しました。

行方不明者3名を捜索するため、巡視船艇・航空機をはじめ、警察、消防、水難救済会等が連日にわたり勢力を投入するとともに、特殊救難隊潜水士による潜水捜索を実施しましたが、来島海峡の速い潮流や深い水深等の厳しい環境のため、潜水捜索は困難を極めました。

このため、海上保安庁では海上自衛隊に災害派遣を要請し、派遣された海上自衛隊艦艇の支援を受け潜水捜索を実施した結果、特殊救難隊が「白虎」船内から行方不明者1名を救助しました。

海上保安庁と海上自衛隊が連携して沈没船からの救助事案に対応したのは、令和元年5月に千葉県銚子沖で発生した貨物船衝突海難に次いで2例目です。

今後も人命救助を第一に考え、関係機関との連携強化を図っていきます。

特殊救難隊・潜水士