海上保安レポート 2022

はじめに


TOPICS 海上保安の一年


特集 守り抜く、日本の海。


海上保安庁の任務・体制


■本編

1 治安の確保

2 生命を救う

3 青い海を守る

4 災害に備える

5 海を知る

6 海上交通の安全を守る

7 海をつなぐ


語句説明・索引


図表索引


資料編

2 生命を救う > Column Vol.10 パナマ籍貨物船「CRIMSON POLARIS」海難対応
2 生命を救う
Column Vol.10
パナマ籍貨物船「CRIMSON POLARIS」海難対応
第二管区海上保安本部、八戸海上保安部、函館航空基地、仙台航空基地、特殊救難隊

令和3年8月11日午前7時50分ころ、青森県八戸港沖で座礁した、パナマ籍貨物船「CRIMSON POLARIS」(総トン数39,910トン、長さ200メートル、乗員21名)から第二管区海上保安本部あて国際VHFにより救助要請がありました。

C号から、「船体に亀裂が入り、徐々に拡大している」との情報を受け、危険性は極めて高いと判断し、大規模海難対策本部(第二管区海上保安本部)、現地対策本部(八戸海上保安部)を設置しました。

現場は、波高5メートルの大しけの中、船体亀裂部の金属が軋み、いつ破断するか分からない極めて危険な状況下、特殊救難隊及び機動救難士が連携し、乗組員全員を救助しました。

その数時間後には船体が2つに分裂しましたが、一人の怪我人も出さずスムーズに救助できた背景には、正確な現場状況の把握による的確なオペレーション、日頃の厳しい訓練で培われた高い救助技術、関係機関との連携が機能したこと等があげられます。

海上保安庁では、一人でも多くの方を救助できるよう、引き続き訓練に取り組み、万が一の事故に備えます。

機動救難士による救助活動
機動救難士による救助活動
船体に入った亀裂
船体に入った亀裂
真っ二つに分裂した船体
真っ二つに分裂した船体