Column Vol.06
九州南西海域工作船事件から20年〜風化させないために〜
第三管区海上保安本部総務部総務課
九州南西海域工作船事件から20年〜風化させないために〜
第三管区海上保安本部総務部総務課
平成13年12月22日に九州南西海域において発生した工作船事件から令和3年で20年が経過しました。
法執行機関である海上保安庁は、悪天候で大時化という対応が非常に困難な状況下で、法令に基づき不審船に対し、停船命令や威嚇射撃を行いましたが、不審船から自動小銃やロケットランチャーによる攻撃を受けたことから、職員の生命及び身体を守るために、正当防衛射撃を実施しました。その後、不審船は自爆用爆発物によるものと思われる爆発を起こして沈没しました。
この事件は、法執行機関である海上保安庁の巡視船が、銃撃を受け被弾しつつ、法令に基づき冷静かつ毅然と対応しており、船体の引揚げ及びその後の捜査等により不審船が北朝鮮の工作船であると特定したものであり、発生から20年という機会に、あらためて多くの国民の皆様に知っていただくとともに、我が国周辺海域の現状、海上警備の重要性、海上保安業務についても、国民の皆様に広くご理解いただきたいと思います。
神奈川県横浜市所在の海上保安資料館横浜館では、工作船事件を風化させないために、被弾した巡視船「あまみ」の船橋前面の約1/2模型や航海計器の展示、当時の不審船への対応から陸揚げまでの状況について写真と説明を記した特別パネルを展示しています。また、世界中のご家庭のパソコンやスマートフォンからアクセスできるオンラインミュージアムが開設されました。
ぜひ海上保安資料館横浜館へのご来館をお待ちしております。
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