Column Vol.07
黒潮大蛇行が最長に
海洋情報部大洋調査課
黒潮大蛇行が最長に
海洋情報部大洋調査課
海上保安庁では、日本周辺の海面水温や黒潮など主要海流の流路を監視・解析し、ホームページで公開しています。黒潮の流路は、人工衛星や船舶・漂流ブイなどの観測結果から知ることができます。
黒潮は、本州の南岸に沿って南西から北東に流れる流路が典型的ですが、2017年8月以降、本州南岸で大きく遠回りして流れる大蛇行の状態が続いています。2022年4月で大蛇行の継続期間が4年9か月となり、判定に十分な資料がある1965年以降で最長だった4年8か月(1975年8月〜1980年3月)を超え、最長記録となりました。
2022年5月21日〜22日には、海上保安庁の測量船「昭洋」が東経137度線上で海流と海面水温の観測を行い、東経137度線上において、黒潮が北緯30度付近を流れていることを確認しました。2023年3月時点でも大蛇行が継続しています。
黒潮は暖かく流れが速いため、その流路は、船舶の経済的な運航コースや、漁場の位置や魚種、沿岸の環境に影響を与えます。また、黒潮大蛇行時には、黒潮や黒潮から分かれた暖水の影響で、東海地方から関東地方にかけての沿岸で潮位が上昇しやすくなります。
黒潮大蛇行期間の黒潮の流路の変化を動画でご覧いただけます。ぜひ、ご覧ください。
海洋速報で見る黒潮大蛇行