AISを活用した航行支援システム

平成21年10月20日 更新

船舶自動識別装置(AIS:Automatic Identification System)

AISとは
 AISは、船舶の識別符号、種類、位置、針路、速力、航行状態及びその他の安全に関する情報を自動的にVHF帯電波で送受信し、船舶局相互間及び船舶局と陸上局の航行援助施設等との間で情報の交換を行うシステムです。








AISの搭載義務
 2002年7月1日に発効された「1974年の海上における人命の安全に関する条約(SOLAS74)」第Ⅴ章受け、国内法では、次の特定の船舶に対し、AISを搭載することが義務づけられています(第19規則)。
 
 (1) 国際航海に従事する300総トン以上の全ての船舶
 (2) 国際航海に従事する全ての旅客船
 (3) 国際航海に従事しない500総トン以上の全ての船舶



※ 義務船舶は、左のような送受信機を搭載しています(例)。




AISを活用した航行支援システム

システム概要
 海上保安庁が整備し、運用するAISを活用した航行支援システムとは、沿岸陸上部にAIS関連施設(AIS送受信所、運用所)を整備することにより、AIS搭載船舶の船名、船の長さ等の静的情報、位置、速力等の動的情報及び仕向港、到着予定時刻等の航海関連情報をリアルタイムに把握し、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海など航路等が設定され船舶交通がふくそうする海域においては、主として航路及びその付近を航行する船舶に対する円滑な航行管制と効果的な情報提供を行い、また、沿岸海域においては、乗揚げの恐れのある船舶や荒天時に走錨の恐れのある船舶に対し注意喚起するとともに、AIS搭載船舶に海難情報や気象海象情報等の各種航行安全情報を提供することにより、海難の未然防止を図ることを可能とするシステムです。

 海上交通センターにおいては、平成16年7月の東京湾海上交通センターを皮切りに、既存の高性能レーダーシステムと融合させた航行支援システムの運用を順次開始し、平成19年12月の大阪湾海上交通センターの運用開始をもって、全ての海上交通センターで運用が行われています。
 また、海上交通センターのあるふくそう海域での運用開始に引き続き、それ以外の一部の離島を除く我が国の沿岸海域についてもAIS網でカバーすべく整備を進め、平成20年7月に、第一、二、八及び九管区海上保安本部、平成21年7月に第十及び第十一管区海上保安本部において運用を開始しました。

東京湾海上交通センター         第十管区海上保安本部




● AIS陸上局のカバーエリアと航行支援システムによる情報提供の例







義務船舶運航者へ海上保安庁からのお願い!
(1) 常に、電源をONにしましょう。
(2) 出港前に、自船のAIS情報が正しく入力されているか確認しましょう。(目的地、ETA等)
(3) AIS受信メッセージを定期的に確認しましょう。