美保航空基地機動救難士の活躍
第八管区海上保安本部美保航空基地
鳥取県境港市に所在する美保航空基地は、福井県から島根県までの1府4県にわたる日本海西部の海域をカバーしています。
美保航空基地では平成16年4月に機動救難士が配置されて以降、海上のほか離島急患搬送等の陸上事案も含めて、1274件出動し、451名を救助しました。(令和4年12月末現在)
現在、美保航空基地には、9名の機動救難士が配置されており24時間体制で海難救助のための体制を整えています。機動救難士は、救助要請があれば航空機に同乗し、ヘリコプターからの降下吊上げ救助や救急救命活動、潜水を行います。
令和4年2月1日に発生した島根県隠岐諸島沖合を航行中の5万トンを超える貨物船が機関故障により航行不能となった事案においては、貨物船が陸岸約800メートルまで接近し、座礁する危険も迫る中、ヘリコプターから機動救難士が貨物船に降下しえい航や投錨作業を補助し、無事に座礁を回避しました。
令和4年8月に、福井県で発生した豪雨災害においては、ヘリコプターの飛行時間が限られ、現場との通信手段も途絶する中、ヘリコプターから降下した機動救難士が要救助者を捜索のうえ、ヘリコプターを誘導し、無事2名を吊り上げ救助しました。
令和4年に機動救難士が対応した年間における急患搬送件数が33件となり、平成16年4月に機動救難士が配置されて以降、過去最多の急患搬送件数となりました。
これらの事案対応以外にも兵庫県豊岡市の水族館「城崎マリンワールド」の協力を得て、機動救難士とイルカ等海の仲間たちとのコラボショーによる海難防止活動を展開するほか、事案対応の状況や海難防止の呼びかけをYouTubeで発信するなど多岐にわたる活動をしています。
美保基地機動救難士は迅速な海難救助体制の一躍を担っており、引き続き、様々な業務に対して積極的に対応していきます。