海上保安試験研究センター

海上保安庁総務部海上保安試験研究センター



海上保安試験研究センター(PR動画はこちら)



海上保安試験研究センターは、東京都立川市の広域防災基地の一角にあります。
都心からおよそ30キロメートル西の内陸部に位置することで、海との関わりが薄く感じられますが、 約1万坪の海上保安試験研究センター敷地内にはマリンブルーを基調とした本館事務棟、第1~第3試験研究棟などの建物が配置され、周囲の豊かな緑の中にあって、 さながら『海』の存在を誇示するかのような趣となっています。

海上保安試験研究センターのルーツを辿るとその歴史は古く、明治元年7月、 神奈川裁判所に灯台の建設事業を行う燈明台掛が置かれ、横浜市中区北仲通において 灯台用の木工・鍛冶工関係の製作を開始したのに端を発します。
その後、80余年にわたる間に幾多の変遷を経て、昭和23年5月海上保安庁発足とともに 海上保安庁灯台部工務課工場となりました。さらに灯台部工場、経理補給部工場と順次組織体制が強化され、 昭和47年5月、海洋汚染原因物質の分析・鑑定や水質検査等の業務を加えた組織として 海上保安庁総務部海上保安試験研究センターが誕生しました。
海上保安試験研究センター発足後も、時代の趨勢とともに業務量が増大し、施設が狭隘となったことに加え、 臨海都市再開発計画による庁舎移転が余儀なくされ、平成2年に横浜市から立川市へ移転しました。
また、海上保安試験研究センターは、大規模災害が発生し、政府の緊急災害対策本部が立川広域防災基地に設置された場合には、 海上保安庁の災害応急活動の拠点として機能します。施設内には、ヘリコプターによる災害応急活動の基地として活用するために、 指令室、駐機場(15機駐機可能)、給油施設等を有しています。



現在、海上保安試験研究センターには管理課、主任・試験研究官(工学担当)及び主任・試験研究官(化学担当)があり次の業務を行っています。

■ 船舶交通の安全の確保のために使用する機器その他音波、光波、電波又は電子を応用した機器及びその材料に関する試験及び研究、これらの機器に係る発電その他の技術に関する試験及び研究、海上保安の業務に使用する機器、資材の製作及び修理並びにこれらを応用する鑑定及び検査

■ 海上における犯罪の捜査に関連する電子情報の解析に関する試験及び研究、海上保安の業務に使用する機器への電子情報の応用に関する試験及び研究並びにこれらを応用する鑑定及び検査

■ 海難救助、海洋の汚染及び海上における災害の防止又は海上における犯罪の取締りに使用する機器及び資材、海上保安庁の船舶に使用する特殊なぎ装品その他海上保安の業務に使用する機器及び資材に関する試験及び研究、これらの機器及びその材料に関する機械工学的試験及び研究並びにこれらを応用する鑑定及び検査

■ 海洋の汚染状況の監視及び調査のための油その他の海洋の汚染の原因となる物質の分析及び水質の検査並びにこれらの研究、海洋の汚染の防除のために使用する薬剤に関する試験及び研究、海上における公害関係法令その他の環境関係法令の違反に関する化学的試験及び研究、海上保安庁の船舶に使用する燃料油、潤滑油及び塗料等の性能に関する試験及び研究並びにこれらを応用する鑑定及び検査

■ 海上における犯罪の科学捜査についての試験及び研究並びにこれらを応用する鑑定及び検査



以下に各担当が行っている試験研究を紹介します。

工学担当

船舶交通の安全の確保のために使用する機器などの開発・改良に関する試験研究を行っています。


航行援助施設に用いる新たな光源の性能評価試験

航路標識光源の導入に向けた試験研究

海難救助、海上犯罪の取締りなど海上保安庁の船舶に使用する機器の研究開発、その他の海上保安の業務に使用する機器及び資材に関する試験研究を行っています。



模型船舶を使用した動揺試験

資機材の破壊試験

GPS等の航海計器の解析、音響の解析、画像の解析、船員手帳等の偽造・変造の鑑定、デジタルフォレンジック及びこれらに関する試験研究を行っています。

GPS等の航海計器の解析

音響の解析

化学担当

海洋汚染の原因物質の分析・鑑定、船舶に使用する燃料油等の性能に関する試験、海洋汚染の防除のために使用する油処理剤等の性能及び毒物試験、その他これらに関する試験研究を行っています。


ガスクロマトグラフ質量分析計による流出油の分析

高周波プラズマ発光分析装置による排水の金属分析

船舶衝突等に関する塗膜片・FRP片等の鑑定、薬物・毒物等の分析、鑑定及びこれらに関する試験研究を行っています。



実体顕微鏡による塗膜の鑑定

ガスクロマトグラフ質量分析計による薬物の分析


油処理剤等の試験(申請ページへリンク) 


海上保安試験研究センターでは、海洋汚染の防除のために使用する油処理剤、油吸着剤、油ゲル化剤の試験について、依頼を受けて実施しています。



研究の評価・不正行為への対応


研究の評価
海上保安庁政策評価ページへリンク)


海上保安試験研究センターが実施する研究の評価については、必要に応じて研究評価委員会を設置することとなっています。




不正行為への対応
(研究活動上の不正行為の対応ページへリンク)


海上保安試験研究センターでは、「海上保安試験研究センターにおける研究活動に係る不正の防止及び不正行為への対応等に関する規則」を定めています。




「海保フェアin立川」

海上保安試験研究センターでは、年に一度、施設を一般公開し、海上保安業務全般を始め、当センターの業務を公開しています。

灯台体験ツアー灯台体験ツアー 化学実験コーナー化学実験コーナー

音楽隊員との触れ合い

                                      
音楽隊演奏                                             海保フェア写真2    




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