海上保安庁は、2月12日(土)から26日(土)までの間、外国海上保安機関の海上保安能力向上支援の専従部門「海上保安庁モバイルコーポレーションチーム(MCT)」3名をスリランカ民主社会主義共和国に派遣し、スリランカ沿岸警備庁(SLCG)による原油流出事故対応総合訓練において、油防除対応能力の評価や油防除技能に係る指導、助言等を行って、SLCGの油防除対応能力の向上を支援しました。
海上保安庁では、スリランカ政府からの要請を受け、2014年から、独立行政法人国際協力機構(JICA)と協力して、スリランカの海上保安機関であるSLCGにJICA短期専門家等として定期的に機動防除隊等の職員を派遣し、SLCGの油防除対応能力の向上支援を行っており、2017年までは、能力向上支援の第1期として、SLCG職員に対して、港内等における基礎的な油防除に関する研修を実施し、2018年からは第2期に移行して、沿岸海域における原油流出事故対応などのより高度な油防除対応技能の研修を実施してきました。
今回の派遣では、第2期研修の総括として、2月17日(木)に実施されたSLCGによる原油流出事故対応総合訓練において、MCTがSLCGの油防除対応能力の総括的な確認、評価及び油防除技能に関する指導、助言を行って、SLCGの油防除対応能力の更なる向上に貢献しました。
また、同訓練検討会においては、油や有害液体物質等の防除措置に係る海上保安庁の専門部隊である機動防除隊等も日本からオンラインでSLCGに油防除技能に関する指導・助言を行いました。
昨年は新型コロナウイルス感染症の影響でオンラインでの研修により能力向上支援を行っていたため、今回は約2年ぶりのスリランカ派遣となりました。
本総合訓練にはSLCG職員約60名が参加、我が国が供与した巡視艇及び油防除資器材を使用して原油流出事故を想定した訓練を適確にこなすとともに、訓練後の検討会においても質疑や意見交換が活発に行われ、SLCGの油防除対応能力が着実に向上していることが確認できました。
沖合にシーレーンを擁するスリランカにとって、原油などの油の海上流出事故に対応する能力の向上は重要な課題となっており、海上保安庁によるSLCGに対する油防除対応能力向上支援は、スリランカ政府からも高い評価を受けています。
海上保安庁では、今後も、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、各国との信頼関係の深化を図るため、海上保安庁が有する豊富な経験と実績を活用し、各国海上保安機関への能力向上支援に積極的に取り組んでまいります。
流出油回収の準備 |
流出油(模擬)回収訓練 |
指示内容の確認 |
訓練検討会(スリランカ) |
訓練検討会(日本からオンラインで参加) |