海上保安庁モバイルコーポレーションチーム及び機動防除隊は、国際協力機構(JICA)の支援のもと、10月7日及び8日の2日間、スリランカ沿岸警備庁(SLCG)の職員に対して「原油流出事故対応に関する研修」を実施しました。
海上保安庁は2014年からSLCGに対して油防除対応能力向上支援を行っています。今回の研修は、油防除対応能力向上支援の定着状況をフォローアップすることを目的とし、新型コロナウイルスの感染状況を踏まえ、オンラインで実施しました。
本研修にはSLCGの職員約30名が参加し、油防除等に関するスペシャリストである機動防除隊の隊長等が講師となり、原油流出事故対応理論、海上ガス検知手法、防毒マスク及びガス検知器の使用方法、応用的油回収手法等の講義を行うとともに、SLCGから、2021年6月にスリランカ沖で発生したコンテナ船火災事故等に関する事例が紹介されました。
研修中は質疑や意見交換が活発に行われ、近年、スリランカ周辺海域で発生した海難事故を踏まえ、沖合にシーレーンを擁するスリランカにとって、原油や危険有害物質の海上流出に対する能力の向上は、より重要課題になっている旨の発言や研修開催に対する感謝の言葉がありました。
今後も、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、海上保安庁の豊富な経験と実績を活用し、各国海上保安機関への能力向上支援を行います。
機動防除による講義 SLCGとの意見交換会
オンラインによる講義の様子