7月21日、海上保安庁モバイルコーポレーションチーム(MCT)は、鹿児島において、日本財団の支援のもと、パラオ共和国の海上保安機関である「パラオ共和国法務省海上警備・魚類野生生物保護局海上法令執行部(DMLE)」所属の巡視船「KEDAM」乗組員13名に対して「新型コロナウイルス感染症患者搬送対応」研修を実施しました。
この研修は、日本財団からパラオ共和国に供与された巡視船「KEDAM」が定期修理のため鹿児島港に寄港している機会を活用して実施したもので、実際にコロナ感染患者の搬送を行っている鹿児島航空基地機動救難士もこの研修に講師として参加しました。また、MCTにとっては、新型コロナウイルスの感染拡大以降、初の外国海上保安機関職員と対面で行う能力向上支援となりました。
研修ではコロナ患者搬送対応に係る基礎知識に関する座学のほか、搬送法や感染防護装備の脱装着等の実技を行い、最後にコロナ患者を搬送する一連の想定訓練を行いました。巡視船「KEDAM」乗組員は座学・実技通じて熱心に取り組み、感染防護装備を着た状態での患者搬送は初めてであったため、貴重な経験になったと研修後にコメントがありました。
このほかに「KEDAM」乗組員は、6月24日に鹿児島海上保安部所属の巡視船こしきの制圧訓練、6月30日に同巡視船さつまの潜水訓練、7月16日に第十管区海上保安本部運用司令センターの見学を行いました。また、7月16日には、「KEDAM」船長が第十管区海上保安本部長を表敬訪問しました。
修理と研修の全ての日程を終えた「PSS KEDAM」は、7月26日、本庁海上保安国際協力推進官、十管区本部職員、鹿児島海上保安部職員に見送られ、鹿児島港を出港し、8月2日にパラオに帰国しました。日本における研修等の経験がパラオ国内で活用されることが期待されます。
今後も、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて、海上保安庁の豊富な経験と実績を活用し、各国海上保安機関への能力向上支援を行います。
MCTによる座学研修 |
患者搬送訓練 |
感染防護装備の着装 |
新型コロナ感染症患者の搬送 |
巡視船こしきの制圧訓練見学 |
巡視船さつまの潜水訓練見学 |
第十管区海上保安本部長表敬訪問 |
鹿児島出港見送り |