海上保安レポート2010
JAPAN COAST GUARD ANNUAL REPORT 2010
 
特集Web版 「科学の力で海を拓く」~大陸棚限界への挑戦~
 
1.大陸棚限界への挑戦 ②
 
しけの中、作業を続ける乗組員
 
   
 
   このような最新鋭の測量船を用いた調査でしたが、当時は様々な苦労が伴いました。例えば、船の揺れは陸上のどのような乗り物の揺れとは異なる独特のものがあります。このため、電車や自動車で酔ったことのない人でも船では簡単に酔ってしまいます。個人差はありますが、船酔いをすると、まず眠気に襲われ、次に気持ちが悪くなり、食事をほとんど取ることができなくなります。
 1回の行動日数は、多くの場合、約1ヶ月ですが、特に船酔いに弱い人の中には、行動中の1ヶ月の間、ほとんど食事を取れないような人もいました。また、調査海域は最寄りの港から200海里(約370キロメ-トル)以上離れていることも珍しくなく、海がしけたときでも簡単には避難ができませんでした。特に日本のはるか南方の海域は台風が生まれる場所でもあり、そこでは、生まれたばかりの台風による嵐で測量船が翻弄されることもしばしばありました。
 
 
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