特集Web版 「科学の力で海を拓く」~大陸棚限界への挑戦~
地殻構造調査では、人間の耳に聞こえるか聞こえないか程度の低い周波数ではありますが、強力な音波を使います。
音波を出す装置はエアガンと呼ばれるもので、船尾から曳航しているエアガンから、大気圧の約130倍に圧縮された空気を一気に海中で爆発させて音波を発生します。エアガンから放出された音波は海中を伝わり、海底に達し、海底下をそのまま伝わっていきます。音波の伝わる速度は物質によって異なるため、海底下に性質の異なる層があると、音波はそこで屈折や反射をして再び海底そして水面まで戻ってきます。
このように戻ってきた音波を測量船のから曳航したストリーマケーブルと呼ばれる多数のマイクを付けたケーブル及び海底に設置された海底地震計で収録します。このように収録された音波の信号を解析することにより、海底下の堆積層の厚さや地質構造の連続性が分かります。