平成13年における船舶海難と人身事故の発生と救助の状況について(確定値)

問い合わせ先
警備救難部 航行安全課
電話03-3591-6361(内線511)
電話03-3591-2776(夜間直通)


平成14年3月20日
海上保安庁




平成13年における船舶海難と人身事故の発生と救助の状況について(確定値)


このたび、「平成13年における船舶海難と人身事故の発生と救助の状況」をまとめました。
本年1月10日に速報値を発表していますが、その後、詳細調査が完了しましたので、確定値として発表します。

海難船舶隻数は2,836隻、人身事故者数は2,818人で、これらに伴う死亡・行方不明者数は1,527人


I 船舶海難発生・救助状況 →資料編


1.発生状況

海難船舶隻数は前年に比べ37隻減少

  • 平成13年の海難船舶の隻数は37隻減の2,836隻(過去10年間の平均海難隻数:2,558隻/年)
  • プレジャーボートと漁船等の海難で全体の約7割
  • プレジャーボート(120隻増)は増加しているものの漁船等(131隻減)は減少
    ※「海難船舶」とは、「要救助船舶」(救助を必要とする海難に遭遇した船舶をいう。)及び「不要救助船舶」(要救助以外の海難船舶をいう。)の合計をいう。
    ※「プレジャーボート」とは、スポーツ又はレクリエーションに用いられるヨット、モーターボート等の船舶の総称をいう。
    ※「漁船等」とは、漁船及び遊漁船業に供用中の遊漁船をいう。


船舶海難に伴う死亡・行方不明者数は11人減少

  • 船舶海難に伴う死亡・行方不明者数は11人減の152人
  • 漁船等の海難(53人減の76人)とプレジャーボートの海難(5人減の21人)で、死亡・行方不明者数が減少
  • 一方、貨物船の海難の死亡・行方不明者数は41人増の43人
  • 海難種別では、衝突が11人増の45人、次いで、転覆が16人減の34人、行方不明が3人増の34人



船舶海難に伴う負傷者数は59人減少

  • 船舶海難に伴う負傷者数は59人減の387人
  • プレジャーボートの海難(37人減の157人)と漁船等の海難(25人減の163人)で、負傷者数が減少
  • 海難種別では、衝突が最も多く41人減の292人、次いで、乗揚が25人減の28人



プレジャーボートの海難が増加し過去最悪。死亡・行方不明者数は減少

 

  • 前年に比べ120隻増の1、157隻で過去最悪。また、死亡・行方不明者数は、5人減の21人


漁船等の海難が減少。死亡・行方不明者数も減少

  • 前年に比べ131隻減の967隻。死亡・行方不明者数も53人減の76人


貨物船の海難が減少。死亡・行方不明者数は増加

  • 前年に比べ33隻減の334隻。死亡・行方不明者数は、41人増の43人


旅客船の海難は増加。死亡・行方不明者数は1名

  • 前年に比べ10隻増の49隻。死亡・行方不明者数は、1名(平成9年から12年までは4年続けてゼロ)


1,000トン以上の船舶の海難の約7割は、外国船舶

  • 海難船舶隻数全体に占める外国船舶の割合は約9%(261隻)で、前年の約9%(213隻)と変わらず。
  • 総トン数1,000トン以上で見ると、海難船舶隻数全体に占める外国船舶の割合は約71%(236隻中168隻)で、前年の約69%(260隻中179隻)から2ポイントの増加


海難原因の約7割は、人為的要因

  • 海難全体では、人為的要因によるものが約7割
  • プレジャーボートは、機関取扱不良を原因とする機関故障が最も多く、次いで、見張不十分を原因とする衝突が多い。
  • 漁船等は、見張不十分による衝突が多い。
  • 外国船舶は、操船不適切及び見張不十分を原因とする衝突が多い。



2.救助状況
船舶の救助率が上昇



  • 救助隻数は6隻増の1,652隻
  • 救助率は87.4%で、前年に比べ1.8ポイントの上昇
    ※ 救助率(%)={救助された船舶/(海難船舶-自力入港した船舶)}×100


海難船舶の乗船者の救助率も上昇



  • 海難船舶の乗船者の救助者数は28人減の5,884人
  • 救助率は97.5%で、前年に比べ0.2ポイントの上昇
    ※ 救助率(%)={救助された船舶/(海難船舶-自力入港した船舶)}×100


118番通報により情報を入手した海難船舶隻数が増加



  • 118番により第一報を入手した海難船舶隻数は1,011隻(36%)で、前年より346隻の増加
  • 118番による通報では、当庁が1時間以内に情報を入手した割合が76%(118番以外による通報では52%)と高く、118番は海難情報の早期入手に有効に機能


II 人身事故発生・救助状況 →資料編

1.発生状況

船舶海難によらない乗船者の人身事故が大幅増

  • 船舶海難によらない乗船者の人身事故は106人増の961人
  • すべての事故内容で事故者が増加
  • 死亡・行方不明者数は10人増の312人
  • 事故者の約4割、死亡・行方不明者の約5割が漁船乗船者
  • 死亡・行方不明者の約5割(149人)が海中転落によるもの。
    ※「船舶海難によらない乗船者の人身事故」とは、船舶海難以外の事由により発生した船舶の乗船者の事故をいう。
    ※ 事故内容を「海中転落」「負傷」「病気」「中毒」「自殺」「その他」に分けて集計


マリンレジャーに伴う海浜事故者数は、最近10年間で最多

  • マリンレジャーに伴う海浜事故は49人増の908人で、最近10年間で最多
  • 死亡・行方不明者数は20人減の317人
  • 特に釣り中の事故者は76人増の304人で、大幅に増加
  • 釣り中の事故者では、ライフジャケットを着用していた62人のうち53人(85%)が無事助かっている一方、ライフジャケットを着用していなかった242人のうち助かった者は126人(52%)で、ライフジャケットの有効性は明らか。
    ※ 「マリンレジャーに伴う海浜事故」とは、海浜等でマリンレジャー活動中に遭った事故をいう。
    ※ 事故内容を「遊泳中」「磯遊び中」「釣り中」「サーフィン中」「ボードセーリング中」「スキューバダイビング中」「ウェイクボード中」「その他」に分けて集計


マリンレジャー以外の海浜事故の事故者数は大幅減

  • マリンレジャー以外の海浜事故は121人減の949人
  • 死亡・行方不明者数は80人減の746人
  • 特に自殺者は、76人減の591人、うち死亡・行方不明者数は63人減の518人
    ※ 「マリンレジャー以外の海浜事故」とは、海浜等でマリンレジャー以外の活動中に遭った事故をいう。
    ※ 事故内容を「岸壁等からの海中転落」「自殺」「その他」に分けて集計




2.救助状況



マリンレジャーに伴う海浜事故で救助者数が大幅増

  • 船舶海難によらない乗船者の人身事故の救助者数は7人減の294人、救助率は1ポイント減の49%
  • マリンレジャーに伴う海浜事故の救助者数は76人増の524人、救助率は5ポイント増の62%
  • マリンレジャー以外の海浜事故の救助者数は33人減の167人、救助率は1ポイント減の18%


118番通報により情報を入手した事故者数が増加

  • 118番により第一報を入手した事故者数は524人(19%)で、前年より156人の増加
  • 118番による通報では、当庁が1時間以内に情報を入手した割合が69%(118番以外による通報では46%)と高く、118番は事故情報の早期入手に有効に機能