特集Web版 「科学の力で海を拓く」~大陸棚限界への挑戦~
4.大陸棚の延長申請
(1)大陸棚延長申請資料の提出
政府一体となった海域調査によって、日本の南方海域では、海底の地形と地質の全貌が明らかになりました。この成果から、200海里を超える大陸棚(以下 延長大陸棚という)の範囲を分析するため、関係省庁の海底地形、地質及び海洋法の専門家からなる、申請資料の素案作成チームが、平成16年から作業を開始しました。
国連海洋法条約第76条の規定に適合する延長大陸棚の範囲を決めるためには、まず、海底地形を解析して、200海里を越えて連続していると考えられる地形を特定する必要があります。最初の地形解析なしに、大陸棚の範囲についての最終的な結論を得ることはできません。海上保安庁は、この作業を担当し、素案作成チームにおいて大きな役割を果たしました。
素案作成チームが取りまとめた結果を基として、延長大陸棚の範囲案が平成20年10月に総合海洋政策本部(本部長は内閣総理大臣)で決定がなされました。申請資料は、平成20年11月12日に、大陸棚の限界を審査する大陸棚限界委員会に提出されました。申請資料は膨大なものですが、その概要版は国連のHPにて公開されています。この申請は世界で13番目のものとなりました。
前のページ
次のページ