三管区の勤務の現場

横浜海上保安部
巡視船さがみ主任航海士

Q. 入庁した動機やきっかけ

私は海のない埼玉県出身ですが、水泳や海が好きであるため漠然と海に関わる仕事に就きたいと思い、はじめは一般の大学に入学しました。大学の海洋実習中に何度も目にした海上保安庁の白く輝く巡視船に憧れを抱き、海上保安庁について調べたことが入庁のきっかけでした。
現在は大学卒業後入学できる海上保安大学初任科がありますので一般の大学を卒業してから海上保安官を目指す方も増えています。

Q. 大学校・学校での思い出

大学校は全寮制であるため、同期や先輩・後輩と日々一緒に過ごすことで、時には競い合い、時には励まし合い、充実した毎日を送ることができました。日々の勉強や訓練は決して易しいものではありませんが、隣の部屋に顔を出せばすぐに相談できる仲間がいることも、寮生活の最大の魅力であると思います。4年間の大学校生活を共に励んだ同期の存在は、一生の宝物になりました。
海上保安大学校は広島の呉にあり、住みやすく近くに海上自衛隊の学校もあり町の人の理解がある温かい町です。毎日22時の門限までは外出が可能です。

Q. 現在の仕事のやりがいや魅力

海難救助や海上犯罪の事案が発生した場合、大型巡視船の主任航海士としての仕事は、まずは航海計画の立案等を担い、現場まで船を運航することです。乗組員の安全を確保しつつ現場海域まで迅速に向かう必要があるため、強い責任感を感じて日々任務に取り組んでいます。また、現場海域到着後には主に現場班長として第一線の業務に当たり、現場での細かな指揮を取ります。長期に渡る業務が終了するたびに、非常に大きな達成感を得ることができます。一年目ですが、大きなやりがいを感じています。

Q. 入庁して一番印象に残っていること

大学校の学生時代に乗船実習で経験した、諸外国海上保安期間との合同訓練や交流会が強く印象に残っています。アメリカ沿岸警備隊と共に英語を使用した合同捜索訓練を実施したり、その他諸外国の海上保安機関職員の方々と一緒に船内生活を送ったりと、非常に貴重な体験をすることができました。それぞれ日本とは言葉や文化が異なるものの、共通の目標に向かって訓練を乗り越え、または交流を深める経験ができたことで、四方を海に囲まれる日本にとっての諸外国との連携の重要性を改めて感じることができました。

Q. 今後の目標

将来は、大使館勤務など国際業務に携わることが目標です。海上で起こる犯罪や事故は、一つの国で解決することが困難である事案も多いため、海で繋がる諸外国と連携して対処することが重要となります。日頃から諸外国との協力関係を築いていくことで有事の際に迅速な対応をとることができるため、その架け橋となる外交官や派遣協力官として国際業務を支える役割を果たしたいです。

Q. 海上保安庁を希望する学生へのメッセージ

海上保安学校・大学校については、訓練や乗船実習、上下関係の面で一見厳しいのではないかというイメージを持たれるかもしれません。しかし、その厳しさを乗り越えた先で得られる経験はとても貴重で、人生の財産になると思います。普通の学校とは比べ物にならない程の時間を過ごすことになるので、厳しさに勝るものを感じられると思います。
また、卒業後に携わる仕事については、海上保安庁の業務の幅は非常に広く、人事異動を繰り返していく中で他にない様々な業務を経験することができます。自分の希望する業務でも、それ以外の業務でも、すべて国や人を守る重要な任務に繋がります。やりがいのある仕事に興味のある方は、自信を持って海上保安官を目指してみてください。

Q. 今の職場の働きやすさ

決まった日数の休暇をしっかりと取得することができ、時には帰省したり、家族旅行に行ったりと、プライベートも充実した日々を送ることができています。性別を問わず育児休暇を取得している様子も多々見られ、今後の自分のライフワークバランスを考える上でも安心感を持っています。
現在は大型船に勤務していますで外洋に出たら一日で帰ることはできませんが、その分長い休みが取れるのが魅力です。4週のうち8日休みが取れるので、長い航海の場合は長い休みが取れます。

Q. 女性でも活躍できる職場かどうか

わたしは個人的にジムに通っていますが、そうではない人もたくさんいます。体力が必要な業務等、男性が活躍できるものがあるように、被害者や要救助者の女性に寄り添うことなど、女性だからこそ力を発揮できる仕事もたくさんあると思います。普段の業務については男女差を感じることはなく、実際に多くの女性海上保安官が現在も活躍されているため、特に心配する必要ありません。男女問わず、それぞれ自分に合った業務を探すことができる点も、海上保安官の魅力のひとつです。

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