三管区の勤務の現場

羽田特殊救難基地
特殊救難隊隊員

Q. 入庁した動機やきっかけ

祖父が消防士であり、私も漠然と人のために働きたいという思いがありました。写真に残る祖父の姿はかっこよくあこがれていました。そんな中で偶然にもテレビ番組で海上保安庁の特殊救難隊の密着番組をしていて存在を知り、日本の海を守るという壮大な使命に魅力を感じました。高校一年生くらいから入庁を希望していました。最初は潜水士を目指す中で、徐々に特殊救難隊を目指すようになりました。

Q. 大学校・学校での思い出

大学生活は日本一周の乗船実習、各種訓練や長期休暇もあり、公私共に充実したものになりました。中でも学生が主体となって開催する海神祭(学生祭)のステージ企画は1番の印象深い思い出です。観客を笑顔にできた時の喜びはひとしおであり、いかに笑顔にできるかを学生間で考える時間もまた一興でした。

Q. 現在の仕事のやりがいや魅力

自らの一挙手一投足が要救助者の命に大きく関わる仕事であるため、当然、あらゆる海難事案に対応できるよう日頃から準備が必要ですが、それは容易な事ではありません。全ては要救助者のために時間を忘れ、海難救助活動や訓練に没頭できることは特殊救難隊の魅力であり、救助した要救助者やご家族の方々の笑顔が見られたときに大きなやりがいを感じます。

Q. 入庁して一番印象に残っていること

特殊救難隊新人研修の最終関門である効果測定です。
四日間に渡り、様々な検定を実施します。最終日には100㎞行軍があり、水及び塩のみの補給で24時間以内に100㎞を走破しなければなりません。前日までの検定の影響で、今にも足が攣りそうな状態でのスタートであり、終盤には、自分の限界の向こう側を見ることで精神が鍛えられました。そういった中でも正しい判断をする必要があります。途中、空腹が極限に達し、焼き鳥屋さんの匂いにつられて余所見をしていたら、足を挫いたことを今でも覚えています。
わたしは特別な訓練をしてなくても8000ccの肺活量があり、潜水の訓練は得意でした。親に感謝しています。とはいえ実際の救難の現場ではそういった事態に追い込まれる前に解決することが大切ですので、こうした能力を持つことは万が一に役立つ水中におけるひとつの自信です。

Q. 今後の目標

まずは、人命救助の最後の砦であるという自覚を持ち、一人でも多くの命を救えるような隊長を目指します。自分の指示が直接人命に関わりますので小さいことまで何事も極めないといけません。これは特殊救難隊でなければできないことです。
その後は、日本の海において、悲痛な思いを少しでも無くし、笑顔を増やしていけるような仕事をしたいと思っています。

Q. 海上保安庁を希望する学生へのメッセージ

海上保安大学校・学校への入学は海上保安庁、ひいては国家公務員としての登用となります。そのため、給料を受け取りながら、自らの成長に繋がる様々な経験をすることができる点は一番の魅力です。ですからバイトする必要はありません、休暇も多くありますので仲間と思い出を作ることができます。
また、在学中には、現場海上保安官と接する機会が多く、多岐に渡る業務を知ることができ、自分が目指すべき目標を見つけることができます。たった一度の学生生活を漫然と過ごすのではなく、目標に向かって充実した日々を送りたいという方は是非、門を叩いてみてください。

Q. 今の職場の働きやすさ

特殊救難隊は六隊編成であり、交代で当直(即応待機)を組んでいます。そのため、休養日は十分に設けられ、夏休みなどの長期休暇も取得することができ、ONとOFFのメリハリを付けられる職場となっております。夏休みは10連休など大型の連休を取得することも可能です。ただし業務に影響が出ますのでレジャーで怪我などしないよう気を付けています。

一覧に戻る