三管区の勤務の現場

警備救難部
環境防災課

Q. 入庁した動機やきっかけ

小さい頃から沢山海で遊び、海が大好きでしたので、漠然と海関係の仕事をしたいと考えていました。高校生から本気でサーフィンを始め、日本中の良い波を追いかけ、海外の波にもチャレンジした生活を送っていたところ、バリ島でのサーフトリップ中、福島県いわき市で民宿を営むサーファーに出会いました。
その方から、東日本大震災で被災して放射線の影響で家の前の大好きな海でサーフィンが出来なくなったこと、民宿の営業も厳しい状況だったという話を聞きました。(現在は復興し、いわき市で大活躍中です!)当時20歳(フリーター)だった私でも、自然災害により、大好きな海に入れなくなることがどれほど悲しいことであるか痛いほどよく分かりましたし、一サーファーとして「これから先も大好きな海でサーフィンするためにどうすればいのか」考えるきっかけとなりました。
結果、日本の海を守る業務に直接携われる「海上保安庁」を志すこととなりました。

Q. 大学校・学校での思い出

私にとってはかなりしんどい学校生活だったので、あえて大変だった部分を話します。学校生活で一番大変だったのは、一年間を通した規則正しい団体生活です。パンフレットを見れば保安学校の一日の流れを見ることができます。毎朝6時25分に「総員起こし」という放送が学校内に響きわたり、5分後には外で整列をしています。その後も就寝時間まで分単位で動きが決められています。
最初の一週間は地獄でしたが、人間すぐに慣れるもので、一ヶ月くらい我慢すれば住めば都、毎日修学旅行気分が味わえます。海上保安学校のカリキュラムは良くできており、20歳過ぎてフラフラしていた私でも、一年間経てば精神的にも体力的にも立派な新米海上保安官になっていました。

Q. 現在の仕事のやりがいや魅力

現在私は、第三管区海上保安本部 警備救難部 環境防災課 訓練研修係として、日々業務をしています。難しそうな職名で一体何をしているのか分からないかと思いますので、簡単に紹介します。私の担当している業務は大きく分けて2つあります。
1つ目は、海上防災等に関する関係機関、自治体、民間企業等との連携した防災訓練の調整業務
 2つ目は、海上防災等に関する研修の計画及び調整業務です。
やりがいや魅力が沢山あり書ききれませんが、その中でも一つだけ魅力を紹介するなら一つ目の防災訓練の調整です。この業務の魅力は、防災訓練の調整を通して関係機関、自治体、民間企業等と顔の見える関係が築けることです。規模の大きい防災訓練だと、約半年間調整を要するものもあるため、関係機関等と幾度となく会議や現地踏査などを行います。訓練当日も大事ですが、訓練当日までの過程が関係機関等の考え方や方針などを共有することができ、相互理解を深める大切なタイミングです。訓練を通して構築した顔の見える関係が有事の際に本領を発揮し、関係機関等と連携することが私の業務の最大の魅力です。

Q. 入庁して一番印象に残っていること

初任地下田海上保安部所属の大型巡視船で勤務をしていた時に風速50メートルの中、作業をした経験が一番印象に残っています。現場に配属されて約1年半が経過した夏の終わり頃、東海方面に非常に強い台風が接近することが予想されたため、私が乗船していた巡視船は駿河湾に前進配備(海難等が発生した場合、最もすみやかに出動出来る場所を選び爾後の行動に備えること)することになりました。駿河湾に到着後、錨泊(錨を海中に投下し、錨により船体と海底を繋ぎとどめておくこと)し、台風が過ぎ去るのを待ちました。夕方を過ぎた20時頃、風速は45メートル以上連吹、最大瞬間風速で50メートルを超え台風ピークを迎えていました。このタイミングで事案が発生したため、抜錨作業(錨を海中から海上に揚げる作業)をすることになり、作業員に指名された私は装備を整え、船外に出ました。船外に出た瞬間、今まで生きてきて味わったことのない風力を感じました。(吹き飛ばされそうになりました。)「風」と言えば、必ず風向があるわけですが、風速50メートルを超えると風が何処から吹いているか分からず、空間全体が突風に包まれている状態でした。風速50メートル中、無事に抜錨作業を終え、現場に向かったことが特に印象に残っています。

Q. 今後の目標

私の直近での目標は、海上災害や海洋汚染に対応する「機動防除隊」という特殊部隊で勤務することです。現職で防災に関する知見を深めつつ研修等にも積極的に参加し、機動防除隊に配属された時には、現場の最前線で活躍できるよう自己研鑽に励んでいます。
また、将来的には、海上保安官として様々な経験を経て関係省庁への出向を希望し、防災についての更なる知見を深め、海上保安庁の防災業務の発展に貢献したいと考えております。

Q. 海上保安庁を希望する学生へのメッセージ

平和で安全な海を未来の子供たちへ一緒に残しませんか?

Q. 今の職場の働きやすさ

今の職場の働きやすさは最高です。最高なポイントを3つ紹介します。
1つ目 勤務時間が柔軟に変更できる!
勤務時間が7種類
・0730~1615
・0830~1715
・0900~1745
・0905~1750
・0930~1815
・1000~1845
・1030~1915
に分かれており、業務量や家庭の事情により、勤務時間を変更することが可能です。私は、07:30~16:15を勤務時間とし、勤務終了後は、「子供と遊ぶ」、「ジムでトレーニング」、「家事育児」などをしています。 また、妻の第二子出産のサポートに伴い、長男を朝幼稚園に送っていた期間は、出勤時間を10:00~18:45に変更したり、在宅勤務を増やしたりして対応していました。日中はしっかり働き、夕方以降は家族や自分の時間に使えるので、家庭との両立ができる環境です。

  2つ目 しっかり休める!
私は、当庁でいう陸上職員となり、暦通りの勤務体制となります。
休暇は、土日祝休み、年間20日間の有給休暇、子供一人につき5日間の看護休暇がありますので、育児への参加もプライベートの遊びも可能です。また、夏季休暇は有給休暇とは別に3日間取得できますので、最大で約10日間の休暇を取ることもでき、海外旅行も可能です。

  3つ目 育児休業も取れる!
私は、第二子の出産に伴い、令和5年12月に約1ヶ月の育児休業を取得しました。年末の忙しい時期に約1ヶ月間休暇を取得するのは勇気がいることでしたが、課長を始め、課内の皆様が快く育児休業の取得を後押ししてくださいましたので、心置きなく約1ヶ月の育児休業を取得させていただきました。
育児休業中は、長女の毎日の沐浴、おむつ替えなど出来る事はなんでもやり、新生児期間を堪能することができましたし、長男とも沢山遊べ、子供との貴重な時間を過ごすことで家族の絆を深めることができたと感じております。

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