三管区の勤務の現場
船舶技術部
機器課
Q. 入庁した動機やきっかけ
父親が船員として働いており、小さい時から船という存在が身近であり、船という乗り物が好きでした。小学1年生の時に参加した体験乗船にて巡視艇の操舵席に乗せてもらい海上保安官という職業を知り、自分も巡視船や巡視艇に乗って仕事をしたいと思いました。そして、高校生の時に一度海上保安大学校、海上保安学校学生採用試験を受験しましたが、残念ながら合格できませんでした。しかし、巡視船に乗って仕事をしたいという思いを諦められず、海上技術短期大学校へ進学し船舶の知識を身に着け、海技資格を取得したのち、もう一度海上保安学校学生採用試験を受験し、入庁しました。
Q. 大学校・学校での思い出
海上保安学校での一番の思い出は、練習船みうらでの乗船実習での航海当直で主任航海士役として操船指揮を執ったことです。海上技術短大学校在学中の乗船実習で大型船の操船は体験していましたが、民間とは指揮や号令が異なり戸惑う部分もありました。しかし、海図や航海計器を駆使しながら同期の協力や教官の指導の下、4時間安全に巡視船を運航できたときは、自分の指揮で動く巡視船を見てとても達成感を感じました。また、この乗船実習以外の警備や救難に関する授業を通して、海上保安官は一般の船乗りとしての知識だけではいけないのだと痛感したのも良い思い出です。
Q. 現在の仕事のやりがいや魅力
現在の船舶工務官という仕事は巡視船艇の故障修理対応や新しく建造している巡視船艇の建造監督を行う仕事です。修理の仕様書の作成や造船所、エンジンや搭載機器の工場での監督立ち合い業務を通して巡視船の構造や性能、搭載機器について詳しくなることができ、船が好きな人にとっては大変魅力的です。偶発的な故障や難しい故障について、点検箇所や対処方法等を乗組員にアドバイスしたり、早期に修理方法を検討、発議して復旧でき、部署や乗組員から感謝されると非常にやりがいを感じます。また、新造船の建造監督業務において、改善案等に自分の意見が反映されたときも巡視船の建造に携われているのだという大きなやりがいを感じることができます。
Q. 入庁して一番印象に残っていること
巡視船艇勤務時代に経験した小型船の曳航救助です。エンジンが故障し、港に戻れず漂流している船舶の救助に向かい、該船に乗っていた乗組員を巡視艇に移乗させ、無事曳航救助完了し、該船乗組員に安心してもらった時の表情は今でも印象に残っています。
Q. 今後の目標
船舶工務官として、巡視船艇を万全な状態で運用できるよう故障の予防、早期復旧に努めるとともに、工務官の業務をとおして巡視船や巡視艇の構造や性能についての知識を深め、巡視船艇勤務に戻った時に様々な任務に船の性能を活かせるような巡視船艇に関するスペシャリストを目指したいと思います。
Q. 海上保安庁を希望する学生へのメッセージ
海上保安庁には様々な職種、業務がありますのでいろいろな経験が詰める仕事だと思います。また、業務を通して様々な船を知ることができ、船が好き、海が好きという方には魅力的な仕事だと思います。海上保安庁に入庁したい、海上保安官として働きたという方はあきらめず何度でも挑戦してください。
Q. 今の職場の働きやすさ
入庁後初の陸上勤務かつ未経験の業務でしたが上司の手厚いサポートもあり業務で一杯いっぱいになることはなく、週休日だけでなく計画的に年休を取得し、休みの日はしっかりとリフレッシュして仕事に取り組めています。また、結婚休暇等自身のライフイベントに合わせて休暇を取得できプライベートも大切にすることができます。