header_r.gif (2853 バイト)
W 海洋レジャーに係る救助体制の充実強化

 1 巡視船艇・航空機による救助体制の強化

 海上保安庁は,従来から,海洋レジャーの活動が盛んな海域において迅速な救助活動等を行うため,巡視船艇によるパトロール活動を実施しているが,特に事故発生の可能性の高い沿岸部における人命救助については,海洋レジャー活動の活発化する時期及び海域を考慮しながらより効果的に巡視船艇を配備するとともに,ヘリコプターの高速性,捜索能力,つり上げ救助能力等を最大限に活用し,救助体制の強化を図っている。

 2 海難情報の入手体制の整備

 海洋レジャー活動に伴う事故等の情報を迅速かつ的確に収集するため,海洋レジャー用無線機の普及を図るとともに,緊急時に各管区海上保安本部と直接連絡が取れる緊急通報用電話(略称「海の110 番」)を,船舶電話,衛星船舶電話並びに東京湾,関西及び瀬戸内海地区のマリネット電話に設置し,船舶からの遭難情報等を速やかに入手できる体制を確立している。
 さらに,海上における携帯電話の利用普及の状況も踏まえ,63年度から,順次,海上保安部署等の加入電話番号を,覚えやすい「局番−4999」(至急救急)に統一している。
 このほか,迅速・的確な捜索・救助活動の実施等を目的とする,衛星通信技術等を用いた新しい遭難・安全通信システムである「海上における遭難及び安全に関する世界的な制度」(GMDSS)の導入に伴い,小型船舶についても,衛星EPIRB(非常用位置指示無線標識)を搭載することにより,陸上機関における遭難位置等の特定が可能となっている。

 3 民間救助体制の整備

 沿岸付近における海難の救助には,地元住民等による応急的な救助活動が有効な場合も多いことから,各地における民間の救助活動を充実強化することは大きな意義を有している。
 現在,我が国の沿岸部において海難救助活動を行う民間のボランティア団体として中心的な役割を果たしているものには,(社)日本水難救済会があるが,同会の事業及び組織を活用し,救助能力を有するマリーナ等の民間救助勢力を結集して,我が国の沿岸一帯に空白のない救助拠点を整備する必要がある。
 このため,海上保安庁においては,(社)日本水難救済会等に対して必要な指導を行うなど我が国における民間救助体制の整備に取り組んでいる。

footer.gif (2246 バイト)