T 海洋レジャーの現状と今後の動向 最近の生活水準の向上,労働時間の短縮などに伴い,国民の余暇活動への関心が高まっている。中でも,モーターボート,ヨット,水上オートバイ,スキューバ・ダイビング,ボードセーリング,サーフィン,いそ釣り等の海洋レジャーは手軽に楽しめることなどから,ここ数年,各年齢層に幅広く普及してきており,新しいライフスタイルの一部として国民に定着してきているものと考えられる。
また,我が国のモーターボート,ヨット等の保有隻数も近年増加傾向にあり,(社)日本舟艇工業会及び日本小型船舶検査機構の資料を基にした運輸省海上技術安全局舶用工業課の推計によれば,8年度末現在でモーターボート約29万8千隻,ヨット約3万8千隻及び水上オートバイ約9万1千隻の約42万7千隻となっている。運輸省海上技術安全局船員部によると,モーターボートや水上オートバイ等の操縦に必要な小型船舶操縦士免許の総取得者数は,8年度末現在で,260万人となっている。
このような状況の中,海洋レジャーに伴う事故は後を絶たない状況にあり,要救助船舶のうちプレジャーボート等の海難隻数は,漸増加傾向にあり,今後も海洋レジャーの普及,定着,活発化により事故の増加が懸念される。この事故の発生原因は基本的知識・技術の不足や気象・海象不注意など人為的な原因が大半を占めており,愛好者の海難防止思想の普及・高揚,民間団体の自主的な安全活動を活性化させる必要がある。 |